スチャダラパーANIが語る、50セント製作総指揮『POWER/パワー』の面白さ

ANIが語る『POWER/パワー』の面白さ

 カーティス・“50セント”・ジャクソンが製作総指揮を務めるTVシリーズ『POWER/パワー』が、9月30日より動画配信サービスHuluで独占配信されている。『グッド・ワイフ』のコートニー・ケンプ・アグボウが企画・脚本を手がけた本作は、毎晩行列ができるニューヨークの人気ナイトクラブ「TRUTH」のオーナーとして働きつつ、ニューヨーク指折りのドラッグディーラーとしても名をはせるジェームズ・セイント・パトリックを主人公に、ニューヨークのクラブシーンと麻薬取引という2つの世界を描いたクライム・サスペンス・ドラマだ。大手プレミアムチャンネル「Starz」で放送されているアメリカでは、2016年7月から放送が開始されたシーズン3で「Starz」の歴代視聴率を塗り替える看板番組になっている。今回、リアルサウンド映画部では、海外ドラマ好きとして知られる、スチャダラパーのANIにインタビューを行い、本作の魅力や製作総指揮を務めた50セントについて、さらに自身の俳優としての活動についても話を訊いた。なお、記事を最後まで読んでいただいた方には、通常2週間無料のところ、1ヶ月無料でHuluを体験できるキャンペーンも。

「アメリカでのヒットの要因は脚本の面白さ」

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ーーANIさんは海外ドラマが好きだとか。

ANI:結構観てますね。向こうの暮らしとかがわかったり、実際にあった話が描かれている作品が好きなんですよ。最近は配信サービスがすごく充実していて、面白い作品も多いので、とりあえずあらすじを読んで、1話観て面白かったら続けて観ていく感じ。海外ドラマや映画はもちろんですけど、Huluだと『仮面ライダー』や日本の連続ドラマも配信しているので、そういうのも観ています。でも、魅力的な作品がどんどん出てくるし、観始めると止まらなくなっちゃうし、どうしたもんかっていう(笑)。最近はDVDを借りに行くこともなくなってきちゃいましたね。

ーー今回、ANIさんには『POWER/パワー』を第2話までを観てもらいました。いかがでしたか?

ANI:面白かったです。追う側と追われる側みたいな展開がスリリングで、ハラハラしました。早くも続きが気になりますね。しかも説明がほとんどないじゃないですか。頭のほうで主人公のジェームズと友人のトミーがクラブを経営してるんだな、結構いい暮らしをしてるんだなっていうのがわかる。一方で、彼らがドラッグに関わっているんだなっていうことも次第にわかっていく。いろいろなことがどんどん明らかになっていくのに惹かれます。やっぱりカルテルは恐いなって(笑)。しかもクラブのオーナーとしてはトップにいるけど、ドラッグのほうでは部下とボスの間に挟まれていて、それも大変そうで。

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ーー女性関係もそうですよね。

ANI:そうそう。奥さんのターシャは謎ですよね。車の中で急に運転手を誘惑し始めたのにはビックリしました(笑)。あと、偶然再会したかつての恋人との関係も気になります。実はドラッグディーラーのジェームズと、実は麻薬取引を捜査する検察官のアンジェラ。2人がお互い裏で何をやっているのか気づかないまま話が展開していく。それがいつバレるのかが、ストーリーの肝になってくるのでしょうね。でも、アメリカではシーズン3まで放送されているんですよね?

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ーーアメリカでは7月からシーズン3の放送が開始されていて、すでにシーズン4とシーズン5の制作も決まっているようです。シーズン1の最終話は第1話と比べて視聴者数が2倍になったそうで。

ANI:それもすごいですよね。アメリカは日本と違って、評判が悪いと本当にすぐ打ち切りになっちゃいますから。アメリカでそこまでヒットするっていうのは、やっぱり脚本がよくできているからなんだと思います。クラブシーンの華やかさと麻薬取引の残忍さという二面性もいい。登場人物もみんな裏表があって、ドロドロした人間関係も観ていて面白いです。終わり方も「そうやって続くんか!」という感じで、日本のドラマにはない感じがします。

ーークラブの描き方はどうでしたか?

ANI:僕も90年代とかにニューヨークのクラブに行ったことがありますけれど、当時はこんなに派手な感じではなかったです。でも、日本のドラマと違ってクラブのシーンにエキストラをたくさん使ったりしてるし、「キャパ325人だけど、今400人入ってる。消防が来たらヤバいぞ!」みたいなセリフもあって、細かいところまで凝っている印象。向こうって、セキュリティーがすごく厳しいんですよ。金属探知機で身体中調べられて。あと人が入口に溜まっていて、なかなか中には入れないとかね。そのあたりの描写もちゃんとしていました。

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ーーしかも第1話の冒頭できちんとその辺りを描いていましたよね。

ANI:そうそう。しかも劇中で『VOGUE』がクラブを貸し切ってパーティをやるシーンがありますよね。クラブでファッション誌のパーティやるって相当すごいことだから、それぐらいの規模なんだなっていうのが伝わる。これを観ると、ニューヨークのクラブに憧れを抱きますね。そういう意味では、同じくニューヨークを舞台にした『セックス・アンド・ザ・シティ』とか『ゴシップ・ガール』みたいな、わかりやすい都会のイメージもある。僕は『ブレイキング・バッド』のようなドラマが好きなんですけれど、ああいうカルテルものとはまた違った、卸している側の人間たちによる都会のドラッグカルチャーがうまく描かれている印象です。

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