ジャニーズ、なぜ演技上手が増えている? 中居正広が語った“芝居とダンスの共通点”
オンライン・オフライン問わず、ジャニーズメンバーの演技力の巧拙が話題になっているのをよく見かける。演技への評価は、鑑賞者の主観による部分も大きいため一概に結論は出せないものの、監督や演出家、俳優などの業界関係者から評価をされているジャニーズメンバーが多いことは事実である。しかし、ジャニーズ事務所に所属しているタレントは、一般的に“歌って踊るアイドル”であり、役者を専業にしようとの思いでジャニーズ事務所に入所したメンバーはあまり多くないだろう。ではなぜ、そんなジャニーズメンバーが演技力を評価されるのだろうか。
以前、『ワイドナショー』(フジテレビ系)でコメンテーターである松本人志の「何でジャニーズの子って演技上手いの?」との質問に対し、SMAPの中居正広は「多分、踊りがあると思いますね。リズムがあるんで。篠原涼子ちゃんとか見てて、ほんとリズムを持っていると思う」とコメントをするシーンがあった。確かに、日本トップクラスの演技力を持つと言われる女優・満島ひかりも歌って踊れるアイドルグループFolder5の出身だ。それに、ジャニーズの中でも役者として評価されているV6 岡田准一も、アクロバットやダンスを得意としている。
では、ダンスと演技の共通点は何だろうか。「身体を鍛えて表現をすること」、「何らかの感情を表すこと」、「“間”などのリズム感が重要であること」などいくつか挙げられるが、その中でも「インプットとアウトプットのプロセス」が肝要ではないだろうか。ドラマや映画などの演技では、監督や脚本家の要望、ストーリーの流れなどをキャッチして的確にアウトプットすることが求められる。ダンスも曲のテーマをキャッチし、身体を使ってアウトプットをするものだ。さらにジャニーズにおいてはほとんど場合、振付師がつくため、振付師の意図を汲んでアウトプットすることも求められる。こう考えると、ダンスと演技はつながっていると言えるだろう。
例えば、『99.9ー刑事専門弁護士ー』(TBS系)を例に取ってみよう。主演を務めたのは、ダンスの“キレ”に定評がある嵐の松本潤だ。このドラマは松本の長台詞が多かったが、1話のクライマックスシーンでは台本11ページにも及ぶセリフがある法廷シーンがあった。まず松本は監督や法律監修を行なう弁護士に徹底的にヒアリングを行ない、細かな動きやリアルな法廷の雰囲気をインプット。その後、実際に動きながら長台詞を覚え、リハーサルでは一度も台本を見ること無く完璧にやりきったのだ。インプットとアウトプットに対する、松本の能力の高さを見ることができる。
『ヒメアノ~ル』ではV6の森田剛を、『銀の匙 Silver Spoon』ではSexy Zoneの中島健人を、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』では関ジャニ∞の安田章大を起用した映画監督・吉田恵輔氏は、ジャニーズメンバーを次のように評している。