2025年はへび年、楳図かずお『へび少女』『娘と白髪魔』……へびが出てくる名作漫画といえば?

■意外に多い、へびが出てくる漫画

楳図かずお『へび女』『へびおばさん』

  2025年、令和7年はへび年である。へびは常に脱皮する性質から、変化、再生、成長などの象徴と言われ、縁起物として扱われることが多い。白へびは神様として祀られることも多いし、へびに出合うと良いことが起こる兆しと考えらxれることもある。金運の象徴とされることもあり、様々なへびの抜け殻を財布に入れておくと金運が上がるといわれる。

 しかしながら、へびほど多彩な描かれ方をする動物も珍しいかもしれない。前出のように、スピリチュアル的な幸運のシンボルとして崇められることもあれば、その見た目ゆえに忌み嫌われることも多いためだ。漫画ではしばし恐怖の対象として描かれたり、へびがモチーフとなったキャラが特殊な能力を身につけている例もある。

 ホラー漫画にはへびに変身する人物が登場するし、見た目がへびの人物や、登場人物がへびに襲われる描写も鉄板といえる。今年亡くなったホラー漫画家・楳図かずおの作品には『へび少女』『ヘビおばさん』などの作品がある。楳図は釣り上がった目の形状や鱗などの意匠を取り入れて、へび+女性を表現した。

 楳図の漫画原作で初めて映画化されたのが、『娘と白髪魔』である。同作は少女雑誌に掲載されていたホラー作品をもとに再構築された作品だ。主人公の南条小百合と子どもの頃に取り違えられた蛇娘タマミは、釣りあがったへびのような目をもち、小百合の美しさに嫉妬する。また、小百合の父親も毒へびなどの有毒動物の研究者という設定であった。

■へびがモチーフのキャラはたくさんいる

 漫画にはへびの特徴を盛り込んだデザインのキャラがたくさんいる。『ONE PIECE』の九蛇海賊団のボア・サンダーソニアやボア・マリーゴールド、『僕のヒーローアカデミア』のウワバミはへびのイメージが取り入れられているし、『鬼滅の刃』の蛇柱・伊黒小芭内は鏑丸というへびを使いの動物としている。また、『邪神ちゃんドロップキック』の主人公・邪神ちゃんは悪魔なのだが、下半身がへびのような見た目をしている。

 また、スーパー戦隊シリーズや『仮面ライダー』シリーズなどの特撮作品では、へびをベースにデザインされた敵キャラが定番中の定番である。初代スーパー戦隊の『秘密戦隊ゴレンジャー』の怪人に毒牙仮面や鉄ヘビ仮面がいる。その後も、『ジャッカー電撃隊』のコブラ大神官、『科学戦隊ダイナマン』のヘビシンカ、『鳥人戦隊ジェットマン』のヨロイスネークなど、インパクトの強いへびキャラは多い。

 『仮面ライダー』の敵組織・ショッカーの“ショッカー首領”もへびのモチーフが盛り込まれているし、コブラ男や海蛇男などもその名の通りへびがベースの怪人である。その後に制作された『仮面ライダーV3』や『仮面ライダーアマゾン』をはじめ、平成ライダーの『仮面ライダークウガ』『仮面ライダーアギト』など、歴代の『仮面ライダー』作品にはへびがモデルのキャラが数多く登場するのだ。

 とにかくへびがモチーフのキャラは多いので、挙げ始めるとキリがないほどだ。どちらかといえば敵キャラのイメージに使われることが多いものの、具体例を並べてみると、描かれ方は本当に多彩であり、見た目も性別も実に多種多様である。それだけへびは身近な動物であるといえるし、創作者に刺激を与えるインパクトの強い見た目と性質を有しているといえるだろう。

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