『ブルーロック』退屈な日々を捨て新たな道ーーサッカー界の王を目指す御影玲王の歩み

『ブルーロック』御影玲王の歩み

 世界1のストライカーを生み出す為「青い監獄」と呼ばれる施設に集められたストライカー300人が生き残りをかけて熾烈な争いを繰り広げる、史上最もイカれたサッカー漫画と称される『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。幼少期からのサッカー経験を持つプレイヤーが大半の中、サッカー歴僅か半年でこのブルーロックプロジェクトに招聘された選手が御影玲王だ。

 総資産7058億円を誇る一大企業、御影コーポレーションの御曹司である御影玲王。スポーツ万能、成績も優秀、望めば大抵のものがすんなり手に入る、凡人が羨むような恵まれた環境にありながらも退屈な日々を持て余していた。簡単に手にいれることが出来ない自分だけの唯一無二のモノが欲しい。玲王にとってサッカーとの出会いこそがまさにそれだった。

 しかし進学校でサッカー部も存在しない高校で、高校1年からサッカーを始めることは遅い、絶対に成功は出来ないと両親に反対された玲王。燻った気持ちを抱えた中で、お互いの運命を大きく変えることとなる凪誠士郎との出会いを果たす。その後、玲王はサッカーにのめり込んでいき、凪と共にすぐさま頭角を現していくことになる。

相手の能力を99%コピーする再現性

 御影玲王の卓越した能力の1つが他プレーヤーの動きを99%コピーできる「複写変化(カメレオン)」だ。玲王自身の能力で再現可能な動きであれば、どんなプレーでも100%に近い正確さでコピーすることが可能なのだ。

 この能力はオールラウンダーであるが故にブルーロックプロジェクトで相対した強烈な個の力を持つ選手達に対して、自分の能力では太刀打ちできないと苦しみもがいた末に玲王がたどり着いた境地でもある。

 100点以上が出せないのなら、様々な場面で活用できる99点のプレーを確実に再現する。それこそが御影玲王が青い監獄を生き残る為に辿り着いた進化形態だったのだ。

複数ポジションをこなせるユーティリティプレーヤー

 さらにもう1つの御影玲王の魅力を挙げるなら、複数のポジションを高いレベルでこなせるユーティリティ性だ。

 御影玲王と類似する実在のプレーヤーとしては長年プレミアリーグでプレーし、リヴァプール、マンチェスターシティーといったビッグクラブでも活躍したジェイムズ・ミルナーを推したい。豊富な運動量を武器にインサイドハーフのポジションを中心にピッチを駆け回れるフィジカルに加え、チーム状況に応じて時にはサイドバックも担えるのだ。さらにはトップ下をはじめ前線でのポジションでもプレーすることが出来る。1人で何役もこなせる選手の存在は交代人数が限られており、試合中の怪我などのアクシデントもたびたび起こり得るサッカーというスポーツにおいては何より重宝される能力だ。

 御影玲王も作中に登場した当初は凪誠士郎とのコンビで攻撃的なタクトを担っていたが、U-20日本代表との一戦ではCBで起用される等、どのポジションでも求められた仕事を確実にこなす、職人気質が備わった選手と言えるだろう。

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