【漫画】マイナースポーツにこそ熱いドラマあり! 謎の競技「セパタクロー」を描いたSNS漫画に魅せられる
作者はセパタクロー歴10年以上!
――『セパタクローとは?』を制作した時の状況を教えてください。
あじな:本作は2年ほど前に描きました。当時は“1週間に4ページ描く”という練習をしていたのですが、「どうせならセパタクローの漫画が描きたいな」と思って制作しました。ただ、最初の4ページだけを描く予定だったのですが、「続きを描いてみたい」と思って今回のボリュームになりました。
――そもそも、なぜセパタクローという競技を選んだのですか?
あじな:自分が大学から現在まで10年以上続けていることが大きな理由です。ちなみに、私は運動神経はあまり高くないのでポジションは主にトサーです(笑)。
――10年以上も続けたくなるほど魅力的なスポーツなのですね。
あじな:そうです。セパタクローの魅力はとにかく「かっこいい」の一言に尽きます。ローリングアタックを生で初めて見た時の驚きは今でも覚えています。また、日本代表への道は外の競技に比べてもかなり近いところも魅力かもしれません。始めるなら今ですよ!
――瀬波、内藤、回陽の性格やビジュアルはどこかポジションとリンクしている印象でした。
あじな:もともと初めの4ページだけで終わらせる予定だったため、ビジュアルは正直手癖で描いています(笑)。やはり性格は各ポジションの印象が強いです。アタッカーは野性的でプラス思考、トサーは理性的だけど怒ると怖い、サーバーはマイペース。その性格の人が結構各ポジション的に多いです。とはいえ、理性的なアタッカーも、適当な性格のトサーもいますけど(笑)。
――瀬波の辛辣なツッコミが面白くもあり、言ってほしいことを言ってくれている感じでした。
あじな:セパタクローの説明を他人にする時、突っ込まれることのオンパレードと言いますか、そういった部分を意識して描きました。競技者も一般人も「確かに!」と思えることが一番読者に響くかなと。また、良いところばかりではなく競技としての問題点やマイナーな理由を開示したほうが、「やってみようかな」と思ってもらえると考えてセリフを選んでいる部分もあります。
セパタクローならではの作画の難しさ
――セパタクローのルールを理解でき、それでいてストーリーも楽しめる内容でした。説明とストーリーのバランスはどのように意識しましたか?
あじな:セパタクローの説明を最初の20ページ、その後に実際の大会の様子を20ページというバランスにしています。正直セパタクローはバレーボールと似ているため、そこまでルール自体は難しくないスポーツです。そのため、界隈の現状や豆知識についてフォーカスしました。
――とにかくプレイ中の躍動感ある作画が素敵でした。
あじな:私はすぐにさぼって線を少なくしようとするため、画面が白くならないように「しっかりと線を描いていこう」と意識しました。また、「セパタクローをやっていない人でもわかりやすいようにしなきゃ」と思いながら描いたのですが、それが達成できたかどうかはわからないです(笑)。とにかく、「読んでくれた人はぜひ実際のセパタクローを見てほしい」と思います。
――ちなみに、セパタクローという球技を描くうえで、どのような難しさがありましたか?
あじな:とにかく打点が顔から遠いため、「顔と打点のどっちを優先して描こうか」と悩むシーンは多々ありました。ローリングで逆さまになっている場合、ネットがあるため顔が完璧に隠れてしまいます。下手すれば誰が打ってるかわからなくなるため、いろいろな描き方の難しさがあります。
――花園の口から化け物サーバーという言葉が出ましたが、続編などはあるのですか?
あじな:実は40ページではなく500ページくらい描いている漫画です。自分のXをさかのぼれば全部見ることができるため、興味を持った人は読んでみてほしいです。ちなみに、『コミティア』で単行本も出す予定で、加えて『kindle』で販売することも検討しているため、その辺りも確認してもらえれば嬉しいです。
――最後に今後の漫画制作の目標など教えてください。
あじな:とにかく数を描いていこうと思っています。Xに投稿していくもの、自分で本にするもの、とにかく自分の表現したいものを描いていきます。そのためにも画力や構成、ストーリーなどの腕を上げることを念頭に置きたいです。