【漫画】人が住まなくなった山奥に「化けイタチ」がいたら? 不思議な世界観のWEB漫画が話題

――本作を制作した経緯から教えてください。

古山フウ(以下、古山):雑誌「月刊コミックビーム」(KADOKAWA)で青年誌系の漫画を描いていましたが、新しく連載する媒体が少年誌系なので絵柄を変えた作品を準備しているんです。今までと作風が違うこともあり読んでもらえるか不安で、連載前のスピンオフ版として描き始めたのが本作でした。世界観やキャラクターが好きという声を結構いただいて、安心しましたね。

――「化けイタチ」とは珍しいキャラクターだなと思います。

古山:化ける動物を調べると大体、狸か狐ですよね。あまり馴染みのないイタチで描いたらどうなるかなと考えたんです。また民話や民俗学が好きで、自分も民話のテイストの漫画を作ってみたいというのもありました。

――不思議な世界観については?

古山:2年前に生まれ育った市へ戻ってきたら、同じタイミングで市が過疎地域指定されたんですよ。特に山深い場所という訳でもないので驚きました。自分が通っていた小学校も廃校の話が出ているようで、目に見えて人が減っているのを感じますね。住民は高齢化、家だけが残って10年~20年経ったらどんな景色になるんだろう……と考えざるをえません。

 実際、車で走っているとボロボロな空き家も目に付いて、子供たちには「お化け屋敷だ」と言われているんですね(笑)。そんな人がいなくなった街や集落に、怖いお化けではなく親しみのある妖怪が住んでいたら面白いなと着想しました。

――ということは、この物語の舞台も限界集落なのでしょうか。

古山:一応、現代を舞台にしています。限界集落からもう少し進んだ、人が住まなくなり、人の暮らしがなくなったエリアというイメージです。

――1万年前の土器のかけらを手に取るシーンは、生者必衰の儚さや歴史の重みを感じさせました。

古山:妖怪は長生きかもしれませんが、私たちは現在まで繋がっている、遠い昔の出来事を自分の歴史として想いを馳せることが難しい。漫画でも現代人にそれをさせることは私には難しく、人のようで人じゃない存在が「人間って何だろう?」と考えさせたらいいのかなと。

 民俗学の歴史を学んだりすると、歴史にも記録にも残っていない“普通の人の暮らし”というものがあったのだろうなと感じるんです。ただ、それを普通に描くと湿っぽくなりがちなのでファンタジーの世界でうまく表現したくて。

――今後の連載を含めた活動についても教えてください。

古山:ウェブ系の媒体で1月から初の長編連載がスタートします。それと並行して、『化けイタチのロク』をシリーズとしてSNSに投稿していけたら。また12月3日、東京ビッグサイトで開催される「コミティア146」では本作の1.5話が入った同人誌を出展予定です。ぜひチェックしてください。

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