元自衛隊で「意識低い系」インフルエンサーのぱやぱやくん 身を護るための“言葉だけ“「ストレス対処術」とは
仕事がしんどく、月曜の朝が憂鬱。上司に理不尽に怒られ、もう顔を合わせたくない。連日の残業続きで疲労が溜まってミス連発。そんな大変な毎日を送っている人に向けられた、仕事にまつわるストレスを「ふわっとかわす」コツを伝授してくれる本がある。『元陸上自衛官ぱやぱやくんが会得した 金曜夜まで仕事のモチベが続く言葉』(大和出版)だ。(吉川拓)
著者のぱやぱやくんはTwitterフォロワーは約23万人の人気インフルエンサー。防衛大学校を卒業後に陸上自衛官としての道を歩み、退職後には会社員に。そうした経験を生かしながら作家として書籍を出版したり、SNSやウェブメディアなどで活動したりしている。
「意識低い系」であるぱやぱやくんは、自衛官時代はいつも心はブルーでネガティブ思考だったのだという。名前の由来も、幹部候補生学校で教官から「お前らはいつもぱやぱやして!」とよく言われたからだそう。しかし、自衛官は猛暑や吹雪であっても屋外で任務達成のために必死に行動しなければならない。だから自衛官の中では語られ続けているアドバイスがあり、本書ではその中から会社員経験もあるぱやぱやくんが、多くの人にタメになる汎用性の高い言葉を厳選紹介しているのだ。
そんな本書で紹介されるユニークな言葉をクイズ形式で見ていこう。あなたは仕事のストレス対処術をどれくらい知っているだろうか?
Q自己肯定感を高めるにはどうしたらいい?(P45)
1.自分はダメだと認める
2.成功体験をイメージする
3.自分はできるやつだと思い込む
ぱやぱやくんは自己肯定感は、他人と比較すると育たないと断言する。自衛官時代にも超優秀で筋肉マッチョな同期と比較して劣等感を感じていたのだとか。しかしそこで大事なのは、自分のレベルや能力が低いことを認めること。その上で、ダメなりに頑張っている自分を褒めてあげよう。(答えは1.自分はダメだと認める)
Qピンチや不安を乗り切るには?(P61)
1.「ワクワクしてきた」と声に出す
2.ピンチや不安の状況を誰かに打ち明ける
3.乗り越えた時をイメージする
誰にでも不安を感じる時はあるはず。自分に自信を持てなかったり、不運が続いてしまったりすることがある。そんな時には口癖を工夫することが大事だという。ピンチを乗り切る時にはポジティブに「ワクワクしてきた」「ここからが本番だ」「面白くなってきた」と口にしてみよう。困難から適度な距離をとることができて、笑いながら前に進めるはずだ。(答えは1.「ワクワク」してきたと声に出す)
Q会社の嫌な奴にはどう対処したらいい?(P97)
1.声を荒げず冷静に論破する
2.とことん徹底的に戦う
3.かわいそうな奴だと思いスルーする
仕事をしていると、嫌な出来事にでくわすことも多々ある。嫌味を言ってくる同僚や理不尽な上司に言い返してやりたいと思うことはあるだろう。でも、そこで力んで喧嘩をしてしまってはダメ。仮にうまいことを言って相手を「ギャフン!」と言わせたところで、恨みを買って後から変な噂を流されたりするかもしれない。「かわいそうな奴だな」と思って、小競り合いはできるだけ回避しよう。(答えは.3.かわいそうな奴だと思いスルーする)
Qネガティブな感情が蘇ってきたら?(P131)
1.真上を見る
2.なぜネガティブな感情が生まれたのか分析する
3.お笑い番組を観る
過去の嫌なことばかりを思い出すのは、下を向いて視野が狭くなっているから。まず、自分の真上を見てみよう。そうすることで記憶を思い出す能力が下がり、嫌な気持ちから逃げることができる。ちなみに上を向いた時に両手をあげると、肩こり解消にもなってよいのだとか。(答えは.1.真上を見る)
Q人生が楽しくないと思ったら?(P167)
1.早く寝る
2.友達に電話をする
3.自分なりの物語をつくる
ぱやぱやくんいわく、人生とは地味で退屈なもの。さらに嫌な出来事だって降りかかってくる。そういう時には「自分なりの物語」をつくるのが大事だ。たとえば、可愛い猫と暮らす、推しのライブに行く、将来は地元に帰る。それが何であるかはあなた次第。ぱやぱやくんは自衛官時代は嫌な仕事が始まる前に必ず焼肉屋に予約を入れていたのだとか。そうすると「この仕事が終わったら肉だ!」とやる気が出る。自分なりの幸せや目標をつくることで、周りに流されずに生きていけるのだ。(答えは.3.自分なりの物語をつくる)
ぱやぱやくんのわかりやすくかつやさしいアドバイスを読んでいると、誰だって少しずつ元気が湧いてくるだろう。何か悩んでいたり、モチベーションが下がったりしているときというのは、ネガティブ思考でがんじがらめになってしまっている。しかしぱやぱやくんは、それを軽やかにかわす身のこなし方、人生がちょっとずつ楽になる方法を的確に教えてくれるのだ。本書一冊を家に置いて、メンタルに危機が訪れそうなときには、パラパラとめくってみると良さそうだ。