【漫画】かわいすぎて誘拐されちゃう!? 柴犬の杞憂を描いたSNS漫画がおもしろい
――『変な犬図鑑』もTwitterで定期的に投稿されていますが、もうどれくらいやられているんですか。
いぬころ:2021年3月くらいで、1年半以上続けております。2021年3月にデザイン研究所(@designkenkyujo)主催の「SNSをどう使っていくか」という趣旨の勉強会があり、そこで学んだ企画の立て方を教えてもらって生まれた企画でした。
自分でもよく続いてるなと思うところもありますね(笑)。やっぱりコメント、いいねなどの反響があるのは大きいです。ポジティブな感想や共感などをもらえると「やっててよかったな」と感じます。
――「ゆうかい」は、いぬころさんにとっては珍しい漫画作品となっていますね。
いぬころ:ちゃんと描いたのは3本目になります。1本目は昔飼っていた柴犬のエッセイ漫画、2本目はユニ・チャーム ペットさんのPR漫画でした。ずっと漫画を描きたいという気持ちはあったのですが、『変な犬図鑑』と並行して作るのが難しくて。
でもある日、芸人の河邑ミクさんのネタを見ていて「モテない努力をしているけど、可愛さを隠せない」という構造が面白いなと思ったんです。犬にそれを当てはめたら、どうなるかなと。言うことを聞かないようにしても可愛く見えてしまう、みたいな。そのアイデアが浮かんでから形にしたんです。
――漫画という形式に取り組んでみた感想も聞きたいです。
いぬころ:めっちゃ大変でしたね。犬を主人公にするのは決まってましたが、展開とかコマ割を考えたり、回想シーンの書き方がわからないので調べたり……描き切るのに苦労しました。13ページなのでTwitter漫画としては長めですが、一般的な読み切り漫画には満たない量です。それでも1~2カ月くらいはかかっています。
――登場する商店街のお兄さんたちなどキャラクターはどのように着想を?
いぬころ:物語の構造が決まってから「つれてかえろう」という言葉がキーになると思ったので、それを言いそうなキャラを考えていった感じです。犬の性別を女の子にしたので、人間は男性の方がいいかなと思いまして。
――キュートな絵柄と物語なので、理屈で組み立てていく作風だったのが意外でした。
いぬころ:『変な犬図鑑』を作った時も、構造や要素から考える方法を教えてもらったのがきっかけだったので、それは大きいかもしれません。
――ちなみにSNSだと猫の方がバズる印象が強いのですが、猫はどう思われますか。
いぬころ:猫アレルギーなんです。母が犬好きだったので、自然と犬派になった感じですね。でも最近気づいたのですが、犬もアレルギーなんですよ(笑)。実家に行った時に柴犬といると、やけにかゆくなったり、かぶれるなと思っていたんです。家を出ると治るので、もしかしたらと思って検査したら犬アレルギーでした。
自宅では少しでも症状が出ないようにと、毛が抜けないミニチュアシュナウザーを飼っています。おかげで今はほとんど症状がないですね。毛の影響は大きいです。
――普段はどんな生活をされているんですか?
いぬころ:会社員として働いています。副業としてSNSに投稿しているんですよ。次は連載ものも描いていければいいかなと思っています。ちょうど先日27歳になりました。商業誌でも描きたいですが、まだそこまで本気になれていないのが現状で(笑)。
――なるほど。経済の柱を持ちながら創作活動する作家さんも多いと思います。
いぬころ:安定した収入があるからこそ描けるところもあるかもしれませんが、その道で行けるのであれば漫画で生きていきたいと思うので頑張りたいですね。『変な犬図鑑』も読んで頂ければ嬉しいです。