【漫画】肉まん好きの女性がロボットで世界を破壊? イマジネーション爆発の漫画がおもしろい


――「肉まんと、世界を壊したい女の話」が人気を集めていることについて、ご自身としてはいかがですか。

関野葵(以下、関野):普段グルメマンガを読まない様な方も読んでくれた印象があるので嬉しいです。

――要因をどう考えます?

関野:運がよかったのかな(笑)。あとはタイミングとか、短編で読みやすかったのと、共感しやすい主人公だったのもあるかもしれません。

――本作で肉まんに着目した理由を教えてください。

関野:パンのなかで一番肉まんが好きなので、いつかマンガにしたいなと。ピザまんも好きですけど、やはり一番は肉まんですね(笑)。「肉まんに色々な具が入っている」というアイデアは担当さんと一緒に相談しながら考えました。肉まんの起源についても調べたり。

――歴史を調べるのは元々好きだったり?

関野:ものができた経緯や役割があるのなら知りたいです。パンに限らず、食べものは歴史が深いんで、これまでの作品にももっと入れられたらなと思っています。これを機にそういう側面も深めていきたいですね。

――ロボット「ロボ美」が破壊衝動の比喩として登場するのも興味深かったです。

関野:それぞれの人に破壊衝動があると思いますが、それを『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドみたいに登場させてみました。私自身も学生時代はそういう気持ちがありましたが、本作では会社勤めの友人たちの話から着想を得た感じです。

――ロボット、肉まんのコントラストが鮮やかでした。特に人間の怒りを複雑なマシーンとして表現しているのは大変クリティカルです。

関野:深く考えてはいませんでしたが「強いものを描こう」と考えて、女の子とロボが合うかなと。言われてみれば、ふわふわしたものと硬そうな機械はよい対比になっていますね。

――絵もドリーミーな質感で味わいがあります。

関野:背景などは意識して細かく描くように、人物と心情とリンクさせたいなと意識はしています。なかなか余裕がなくてできない場合もありますが(笑)。話を考えて、作画を終わらせるまで20日くらい。

――普段どういう時に着想が浮かんだり、アイデアを閃くんですか。

関野:日常で違和感があるものに惹かれたり、題材にしたいなと感じることが多いです。こんなところにあるはずのないゴミ、『この人ってこんなことするようなキャラじゃないな』と思う行動とか。先日は普段は閉まっているけど、ある曜日のある時間だけ電気が付いている店を見つけて、気になっているところです。

――ところで、影響を受けた漫画家はいます?

関野:たくさんいます。鳥山明先生、浅野いにお先生、鈴木小波先生が好きです。

――今回は単行本からの切り抜きでしたが、もしTwitterに特化した作品を描くとしたらどんな作品にしますか?

関野:会社や人の名前とかを出して描いてみたいですね(笑)。

――次作でまたグルメ漫画を描くとしたら何を題材にしますか。

関野:ひとり暮らしのパスタですかね。ただ私がパスタ好きで、いつも自分で作っているだけなんですけど(笑)。

――最後に今後の展望などあれば。

関野:たくさん描いて売れたらいいなとは思います。あと背景を描くのが好きなので、自分で納得できるものを制作するのが目標。満足することはないかもしれませんが、追求したいですね。次の作品もぜひ読んでください。

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