【漫画】予想もしない結末に感動 Twitter漫画『死にたがりロボットは今日も眠らない』が衝撃すぎる

ーー物語の急展開に驚きと感動を覚えた作品でした。創作のきっかけを教えてください。

さく兵衛:本作はコミティア(一次創作物の即売会)に参加するために描いた作品です。これまで主にエッセイ漫画を描いていましたが、これからオリジナルの作品を中心に描いていきたいと考え本作をつくりました。漫画の方向性を模索するために、ロボットや柴犬といった自分の好きなものを詰め込もうと考えていましたね。

ーー印象に残っているシーンを教えてください。

さく兵衛:ブラビーの記憶が復旧する場面です。感情が豊かなブラビーですがロボットという存在でもあるため、忘れていた思い出がよみがえるシーンではブラビーがむせび泣く様子を描こうとは思いませんでした。表情やセリフにあまり頼らずこのシーンを表現できたことはよかったと思っています。あと柴犬がロボットだったことが明らかになる場面は好きですね(笑)。

ーー本作をつくるなかで意識したことは?

さく兵衛:物語の前半と後半で、お嬢様とブラビーの印象が変わるようにしたいと思っていました。最初のページでお嬢様が「貴方って本当に面倒な子なんだから」と話す場面は、お嬢様がブラビーを煩わしく思っていると聞こえてしまうかと思います。物語の後半でもお嬢様は同じようなセリフを話していますが、何十年も苦楽を共に歩んでいるふたりだからこそ言える軽口として、愛情のこもった印象のセリフになることを意識しました。ブラビーに対する印象が時間経過で変化する様子を表現したかったのです。

 またブラビーは劣等感をもっている状態から、お嬢様と何十年も暮らしていくことで自信が湧くようになります。30ページほどの作品のなかではブラビーがお嬢様と過ごした日々のすべてを描くことができないため、記憶をリセットしてから再起動することで、自分はこれだけのことをやってきたのだと思い出し、最後にブラビーが自信をもてるようにしました。

ーーさく兵衛さんのお話のつくり方を教えてください。

さく兵衛:創作をするなかで「人を驚かせたい」という思いが根底にあるので、まずは意外性のある結末を考えています。実はお嬢様がおばあちゃんになっていたり、実は柴犬がロボットだったり。まず意外性のある展開を考え、どんな話があれば自然になるかと考えていますね。描きたいシーンを並べ、すべて表現するためにどんなストーリーにすればいいのか、描きたいシーンありきで考えている感じです。

ーー漫画を描きはじめたきっかけを教えてください。

さく兵衛:大学生のころから漫画を描いていたのですが、卒業後に漫画を描くことをしばらくやめていました。ただ環境が落ち着いた際にコルクラボ漫画専科という創作のコミュニティに半年ほど参加し、毎日エッセイ漫画を描くようになりました。そのあとにオリジナルの漫画も描きたいと思うようになり、SNSで作品を投稿するようになりましたね。

ーー“漫画をつくりたい”という思いの根底にあるものを教えてください。

さく兵衛:自分がこういう作品を見たいと思ったときに、じゃあ自分だったらどんな展開にするだろうかと想像することがあり、私にとってその妄想を手軽に表現できるかたちが漫画でした。表現のかたちは小説などでもよかったとは思いますが、言葉にできない余韻を表現できる絵の方が性に合っているため、今の私は漫画を描いているのだろうと思います。

ーー今後の目標を教えてください。

さく兵衛:やっぱり本作のようなオリジナルのストーリー漫画を常々描きたいと思っていたので、ゆくゆくは電子書籍化や販売ができるようストーリー漫画の執筆に力を入れていきたいと思います。

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