花村萬月と尾崎世界観が激賞! 異能の作家・吉村萬壱が最新作『CF(シーエフ)』刊行
問題作を放ち続ける異能の作家、吉村萬壱が待望の最新作『CF(シーエフ)』(徳間書店)を6月29日に刊行する。花村萬月や尾崎世界観(クリープハイプ)が激賞している。
金さえ積めば、すべてチャラ。罪の責任を無化する会社「CF」(Central Factory)をめぐり交錯する人間模様を描いたディストピア群像劇だ。花村萬月は「この小説家は本当に恐ろしい」、尾崎世界観(クリープハイプ)は「CFに行きたい」とコメントを寄せている。
あらすじ
罪の責任を取る必要がない「無化」を行ってくれる超巨大企業・Central Factory。
加害者のみならず被害者の苦しみも取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。が、それに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。
人生に上手く馴染めないキャバクラ嬢、能面のような夫の表情に悩む主婦、少女へ恋する中学生、自由を持て余すホームレス、CFの布教に勤しむ老婆、CFでの労働によって犯罪の清算をする中年、社長の著作代筆作業に行き詰まるCF広報室長。そして、CFの欺瞞を暴こうとテロを計画する男。CFCFCF。CFをめぐり、人々は交錯する。罪とは何か。責任のとり方を問うディストピア群像劇。
推薦コメント
花村萬月「卑俗にして至聖、極微にして極大、さらには極北。この小説家はほんとうに恐ろしい。」
尾崎世界観(クリープハイプ)「せっかく読んでいた物語が、CFのせいでグチャグチャになる。それは全部CFのせいなんだけど、そもそも何の為にこれを読んでいるのかとCFは思わせてくる。そこからはもう、CFにまるごと委ねれば楽になる。CFが全部やってくれる。CFが知っている。CFに行きたい。」
担当編集者より
贈収賄、万引き、強盗、殺人、不倫などなど。何か事が起きたときに、取らなければならない責任。物語ではこれらすべての責任を、巨大企業・CFが有耶無耶にしてくれます。責任を題材にとった、SFのような、ディストピアのような小説です。でも読み終わったときの肌触りはノンフィクション、リアルな日本でした。吉村萬壱さんの冷徹な観察力と憤りが光る、物語をお楽しみください。
著者プロフィール
吉村萬壱(よしむら・まんいち)
1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪育ち。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務めた後、52歳で専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞してデビュー。2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞、2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞受賞。小説のほかに漫画『流しの下のうーちゃん』、エッセイ集『生きていくうえで、かけがえのないこと』『うつぼのひとりごと』『哲学の蠅』がある。ほかの著書に『バースト・ゾーン 爆裂地区』『ヤイトスエッド』『ボラード病』『虚ろまんてぃっく』『前世は兎』『出来事』『流卵』『死者にこそふさわしいその場所』など。
書誌情報
タイトル:CF(シーエフ)
著者:吉村萬壱
定価:1870円(税込)
判型:四六判ハードカバー
ページ数:280ページ
ISBN:978-4-19-865478-8
商品ページ:https://www.tokuma.jp/book/b608106.html