平均年齢70歳の恋物語『僕らが恋をしたのは』はなぜ全世代を魅了する? 1巻を閉じたとき、胸に宿る希望
年を重ねてからの希望
高齢化が進む。若者が年上の人に対して「老害」という言葉を使う。多くの人が自らの将来に漠然とした不安を抱えている。
生きていれば、すべての人に必ず訪れるのが老いだ。今、「老害」という言葉で年上の人をひっくるめようとしている人たちもそうだ。数十年後、今はまだ生まれていない若い世代から、「感覚が古い」と言われることになる。
そんなとき、無理に若者に合わせたり、自分を卑下したりするのではなく、「今からでもできることがたくさんある」と考えを変えてみると、自分を取り巻く世界はがらりと変わる。
『僕らが恋をしたのは』1巻を閉じた後、胸に宿るのは「年を重ねてからも新しいことに巡り合えるかもしれない」という希望だ。むしろ今までの人生で苦しい経験をした人のほうが、より深く本作を味わえるかもしれない。