【漫画】今までで一番美味しかった秋の味覚は? 子どもの頃に食べた“あの味わい”に共感の声

ーー子どものころに見ていた世界を思い起こすことができる作品だと感じました。創作のきっかけを教えてください。

つづきぱわ:私は漫画を創作するコミュニティに所属しており、本作は「今まで食べた中で1番おいしかった秋の味覚」というテーマで漫画を描くという課題のためにつくった作品です。はじめて描いた漫画作品であり、勢いと愛で描いた作品なので、わかりづらい箇所もあったかと思います。

ーーはじめて漫画を描くなかで苦労した点を教えてください。

つづきぱわ:過去の経験を題材として描いたので、登場人物が暮らす家や燃え上がる炎など、現在は目の前に存在していないものを描くことがむずかしかったです。

 漫画を創作するコミュニティのなかで「わかりづらい部分が多い」というフィードバックをいただき、登場人物が炎を見たときや焼き芋を味わっているときの心情など、キャラクターの感情をもっと描けたらよかったなと思っています。あと方言がわかりづらいという意見もいただきましたね。

ーー登場人物が話す方言が作中の雰囲気をつくっていると感じました。

つづきぱわ:自分の経験を題材としたお話であるため、方言の存在は外せないと感じていました。しかしコミュニティに所属する同期の方からいただく感想は、方言のわからない感じがいいというものと、方言を標準語に修正してもいいかもしれないというもので分かれたのです。そのため漫画に登場した方言を標準語に訳したイラストをおまけとして投稿しました。

ーー方言や景色など、つづきぱわさんの思い出が色濃く映された作品だと感じます。

つづきぱわ:おいしかったものの記憶は、食べ物の味ではなく、味以外の経験も含まれることが多いと感じています。自分がつくったからとか、旅先で食べたからとか、だれかと共有したからとかーー。特別な経験が存在するから、おいしいと感じた味が思い出として残ることを表現したいと思っていました。

ーー男の子が焼き芋をふたつに割るシーンが印象的でした。

つづきぱわ:このシーンはあまり意識しないで描きましたが、読者の方から温度を感じると褒めていただきました。温度を感じるという言葉ってすごくいいなと思いましたね。

 意識したこととして、動きからキャラクターの人となりがわかるようにしたことが挙げられます。ランドセルを投げ捨てる様子や、転んで泥まみれになっても気にしない点など、男の子のおおざっぱな性格が伝わればと思って描きました。

 台詞に登場する方言と共に、玄関以外のところから家に入ったり、おやつの材料を家の畑から調達したりなど、田舎に住んでいたことのある人が懐かしいなと思えるような「田舎あるある」を描くことも意識していましたね。

ーーつづきぱわさんがSNSに漫画を投稿されたきっかけを教えてください。

つづきぱわ:子どものころは絵画教室に通ったり、社会人になってからはSNSで絵日記を投稿したりと、小さいころから絵を描くことが好きで、物心がついたころから絵を描き続けてきました。漫画もすごく好きで、自分が漫画から色々なものをもらったように、自分もだれかに影響を与えられたらいいなと思い、漫画を創作するコミュニティに所属して漫画を描き始めました。

ーー絵を描くことやSNSに投稿することを続けられる秘訣を教えてください。

つづきぱわ:家族の協力が1番大きいと思います。創作活動を応援してくれていて、製作時間の確保がしやすい環境をつくってもらっています。SNSに作品を投稿した際にコメントやいいねなどで反応をしてくださったり、私を知らない人へ作品を拡散してくれる方々にもとても感謝しています。よい反応をもらえると、描き続けるためのモチベーションになりますから。

 また幼少期から親や教師に「継続は力なり」と言われてきたことが、自分の価値観にすり込まれているのかもしれません。私自身、三日坊主で飽きっぽい性格なんですけど、続けることができたのは絵を描くことだけでした。これからも絵を描くことは嫌いにならないだろうと思います。

ーー絵を描くことがつづきぱわさんの生活に根付いているように感じました。

つづきぱわ:そうなのかもしれないです。自分が人生を楽しむためにずっと絵を描いていきたいと思っています。そして自分が楽しんで描いた作品をたくさんの方々に楽しんでもらえたらとてもうれしいです。

ーー今、絵を描くことは楽しいですか。

つづきぱわ:すごく楽しいです。

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