『呪術廻戦』パンダ先輩、『らんま』玄馬に『BEASTARS』ゴウヒン……漫画のキャラになぜ“パンダ”が選ばれる?

なぜ漫画キャラに“パンダ”が選ばれるのか

 このパンダが笹食……つまり、草食であることもパンダのキャラクターを捉える上で一つのキーワードかもしれない。漫画に登場するパンダキャラの中でも面白い機能性を体現しているのが、『BEASTARS』のゴウヒンだ。

 ゴウヒンは肉食獣が肉を売買する闇市で精神科医をして暮らしている。そのヤクザっぽい見た目や巨体はもちろん、実力でも大型肉食獣を取り押さえることができる戦闘力の高い強キャラ。そんな彼が本来なら肉食である熊科でありながら、その実草食獣という点が重要で、要するに彼は『BEASTARS』の……動物の世界では“中立的な存在”なのだ。それは精神科医という仕事にも反映されている。この中立性も、そのキャラクターがなぜパンダである必要があったのか、という視点で考える時に一つの指標になるのではないだろうか。

 マスコット的な可愛さ全振りとしてのパンダなのか、武闘派パンダなのか、社会的に中立な立場としてのパンダなのか。パンダの数だけ、いろんな意味合いの持つパンダがいて、みんな可愛くて、かっこいい。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。Instagram:@cinema_anais/Twitter:@cinemababyanais

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