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どう軽く見積もっても100キロは下らない巨漢、デヴィッド・トーマス率いるアヴァンギャルド・ガレージ・パンク・バンド。デビューは78年というから、そろそろキャリアは四半世紀に達する。80年代こそ活動はまばらだったが、一貫した社会批判的な視線と、変幻自在なフリー・ミュージック的音像は、暴力的でありながらも同時にきわめてヨーロッパ的なアート感をも孕んでおり、初期の段階では本国アメリカよりもイギリスで人気があった。
本人は自らを「音痴」と断言しており、保守的な意味での「まっとうな」音楽を志す意志は最初から無かったことを公言しているが、だからといって自らの音楽を卑下していたわけではなく、それどころか「こっちが王道」といった発言さえカマしており、その問答無用の圧倒的自信こそが、彼らのサウンドに不気味なまでの威圧感と堂々ぶりを与えているものと思われる。
90年代に入ってからは再び勢いを取り戻し、ルーツ・ミュージック的な展開をみせながらも、まだまだ穏やかさには向かおうとしない頑固親父ぶりを維持している。 (小池清彦)

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