BE:FIRSTはステージに立つごとに表現を更新し続ける 『MTV Unplugged』で示したパフォーマンスの真価
4月25日、BE:FIRSTの公式YouTubeチャンネルにて『MTV Unplugged: BE:FIRST』で披露した「GRIT」のライブ映像が公開された。同動画が注目を集めている理由は、人気曲のライブ映像が公開されたからというだけではない。アコースティックライブだからこそ生まれた大胆なアレンジ、テンポ感や抑揚の変化、さらにはボーカルアプローチまで、『MTV Unplugged: BE:FIRST』ならではの特別な仕上がりとなっていたからだ。そしてここからは、BE:FIRSTが音源を忠実に再現するだけでなく、ライブごとに楽曲へ新たな命を吹き込めるグループだという事実も見えてきた。
今回公開された「GRIT」は、『MTV Unplugged』というステージならではのアレンジによって原曲以上に熱量が増した印象を受ける。原曲は洗練されたサウンドが緻密に積み重ねられ、クールな高揚感を生み出していたが、生バンド編成となったことでそこに人肌の温度や情熱が加わっていた。ベースやドラムがもたらす重厚な低音、抜けるようなサックスの音色、ギターや鍵盤が生む有機的なうねり……それらの躍動感に引っ張られるように、メンバーの歌声にも熱が宿っていく。
さらに、6人それぞれの声質がより際立っていたのも印象的だ。高音で鮮やかに抜ける声やラップで鋭く切り込む声、柔らかく感情をにじませる声など、それぞれの個性が明確に浮かび上がり、グループとしての総合力の高さを改めて感じさせる。また、ダイナミクスの付け方やラップフロウの変化も緻密で、原曲以上に“生身の声”が前面に出ている。踊りながら成立させる通常のライブとは違って、歌そのもので魅せられる強さがあることを証明したパフォーマンスだと言えよう。
そもそも『MTV Unplugged』は、派手な演出ではなく、演奏と歌唱そのもので魅せる格式ある企画として知られている。そのステージにBE:FIRSTが立った意味は大きい。ダンス&ボーカルグループでありながら、歌だけでも成立するどころか、観る者を圧倒する実力を示したのである。そして、普段の華やかなステージとは異なる環境だからこそ、繊細なニュアンスや体温のある表現がより際立って見えていたはずだ。
その表現の幅広さは、3月29日に公開された同公演の「夢中」の映像からも感じ取れる。原曲が持つ優しさや幸福感をさらに膨らませるような歌唱で、「GRIT」とはまったく異なるアプローチだ。同じバンド編成でありながら、楽曲ごとに感情の乗せ方を変え、世界観を塗り替えていることがわかる。BE:FIRSTは、単に“歌えるグループ”ではなく、“楽曲ごとに最適な表現を選び取れるグループ”なのだ。
ちなみに、4月26日に公開された「Festival & Event Vlog - 2026 Spring [Vlog #23]」では『MTV Unplugged: BE:FIRST』のリハーサル風景も映し出され、一曲一曲丁寧に確認を重ね、メンバー同士でハーモニーのチェックをする姿があった。本番で自然体に見える完成度の高さは、決して偶然ではない。こうした見えない場所で積み重ねられた地道な努力があるからこそ、あれほど自由度の高い表現が可能になっているのだろう。
BE:FIRSTはライブのたびに解釈を変え、表現を更新し続けるグループだ。『MTV Unplugged: BE:FIRST』は、その本質がもっとも鮮明に表れた場所だったと言えるだろう。音源の先にある表現で、BE:FIRSTは今後も驚きを与えてくれるに違いない。


























