ヤングスキニーはライブを観た誰もが"惚れる"バンドであるーー初の日本武道館に刻んだ嘘のないロック

最大のハイライト「精神ロック」、日本武道館で果たした“有言実行”
そして、この日の最大のハイライトを飾ったのが、「精神ロック」だったと思う。「ひとりのゴミが、こんな大勢の前で歌を歌ってます。やっぱり、俺はけっこうバンド好きです」ーーそう告げて同曲を歌い始めたかやゆーは、曲中、まるで堰を切ったように胸中の想いを次々と打ち明けてゆく。「いつも言うけど、一番大切なのは嘘を付かないこと」「俺は、音楽だけには、自分が作る歌だけには、嘘は付かない」「俺の歌の中にある本質まで見抜いてほしい」「俺はこれからも芯を貫く」「ロックってのは、ジャンルではなくて心だと俺は思います」と、まるで曲の歌詞とかやゆーの語りが分かち難く結び付いているかのような、あまりにもエモーショナルな歌を受けて、メンバー3人の演奏も際限なく熱く昂っていく。ヤングスキニー流のロック観を武道館に深々と刻み付ける4人の勇姿が、本当に圧巻だった。

続く「東京」も、凄まじい轟音が鳴り響いていた。まるで魂を削るような、全身全霊の名演だった。ここで再び中野がステージイン。かやゆーは、「僕の恋愛の歌なのか、決意の歌なのかわからないけど」と両手で深くマイクを握りしめながら、「stay with me」を熱唱。本編ラストの曲は、かやゆーいわく「初めて自分から親に聴かせた曲」だという「憂鬱とバイト」。「明日からも、あなたの憂鬱な毎日にこの歌を」と告げ、4人編成で同曲を披露。間奏で、かやゆーが叫んだ「辛いのは、あなただけじゃないよ」「俺だって辛えんだよ!」という切実な言葉が深く胸を打った。この曲を含め、ヤングスキニーの曲はかやゆー自身の実体験をもとに書かれているが、その奥に宿る普遍性を改めて感じる時間となった。
アンコールの声を受け、再びステージに登場した4人。かやゆーは、りょうとに対して「今日(の打ち上げ)は帰さないよ」と語りかけており、その晴れやかな表情から、彼らが本編を通して得た充実感が伝わってきた。アンコール1曲目は、4人編成で「らしく」。かやゆーが〈今日、武道館に立っちまったぜ!〉と歌詞を替えて叫ぶと、この日何度も更新されてきた熱量のピークを再び更新するほどの大歓声が沸き起こる。ついに、残すところ1曲。かやゆーが「僕が一番好きな曲です。ここで、この歌を歌うヤングスキニーが一番かっこいいと思って歌います」と告げ、真のラストナンバー「誰かを救ってやる暇などないけど」を4人編成で届けた。かやゆーのアコースティックギターによる弾き語りを経て、ゴンザレス、りょうと、しおんの音が重なり、ひときわエモーショナルな響きが武道館全体に満ちてゆく。あまりにも鮮やかな万感の終幕。総じて、『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやる』という公演タイトルに込められていた決意を、4人が身をもって現実にしてみせた一夜だったように感じる。
ヤングスキニーは、ライブを観た誰もが、性別などは関係なく"惚れる"バンドである。改めて、そう強く思った。

■セットリスト
『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやる日本武道館』
2026年2月17日@日本武道館
M01.世界が僕を嫌いになっても
M02.ヒモと愛
M03.関白宣言
M04.ゴミ人間、俺
M05.本当はね、
M06.君じゃなくても別によかったのかもしれない
M07.本音
M08.るっせぇ女
M09.カレーライス
M10.バンドマンの元彼氏
M11.君の街まで
M12.三茶物語
M13.ちゃんと帰ってくるから、許して
M14.雪月花
M15.ハナイチモンメ
M16.愛の乾燥機
M17.美談
M18.さよなら、初恋
M19.ベランダ
M20.コインランドリー
M21.悪い人
M22.精神ロック
M23.東京
M24.stay with me
M25.憂鬱とバイト
<アンコール>
M26.らしく
M27.誰かを救ってやる暇などないけど
























