Mori Calliope×亀山陽平 特別対談 2人が語る“言語の壁”の超え方とはーー音と視覚で突破するグローバルな表現論

『DISASTERPIECE』は今までで一番“Calliopeらしい”アルバムに
——そして、Calliopeさんはメジャー3rdアルバム『DISASTERPIECE』をリリースされました。「LET’S JUST CRASH」をはじめ、「Rivals and Equals」(アニメ『ガチアクタ』挿入歌)、「Gold Unbalance feat.中島健人」(Prime Video『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ2025』主題歌)など計10曲を収録。亀山監督はこのアルバムに対してどんな印象を持ってますか?
亀山:私は音楽の素人なのであまり突っ込んだことは言えないですが、日本語と英語の混ぜ合わせ方がよりナチュラルになっている感じがあって! エボリューション(進化)が見えるし、オーソドックスではない、独創的な曲が増えている印象もありました。“Calliope Way”が築かれているし、この先が楽しみになる作品ですね。
Calliope:ありがとうございます。今までで一番“Calliopeらしい”アルバムになったと思いますし、これからもユニークな曲をたくさん作りたいと思っています。
——アルバムタイトルには“不完全な自分の提示”、そして“不完全であることの美しさ”や“完璧でないことを肯定する”というメッセージが込められているとか。
Calliope:アルバムのコンセプトについては、すごく悩みました。収録する曲のアイデアを並べて、共通するテーマをずっと探して……。Calliopeの曲はダークだったり皮肉が入ってたりするんですけど、それは私が不完全な人だからじゃないかなと。私にはいろいろな欠点があるし、シニカルなことも考えますが、それをXにアップしたくなくて。そういう思いが爆弾みたいに自分の中で大きくなると、曲にするんですよね。
亀山:自分の気持ちや考えはSNSに投稿するのではなく、歌詞や作品に込めて世にぶつける。めっちゃわかります。
Calliope:嬉しいです。なので、このアルバムは“DISASTER”(災害、大惨事。スラングとして最悪な状態やダメな状態を意味する)なんですけど、自分の“MASTERPIECE”(傑作)でもあって。不完全の中にきれいなもの、素敵なものが入っていて、それがアートになるという。
亀山:ということは、世間に対する文句みたいなところも込められてるんですね。それを踏まえて改めて聴いてみます。
Calliope:ぜひ! 歌詞の和訳もアップしようと思っているので、それもぜひ読んでほしいです。
——日本語話者のファンにも歌詞の内容をしっかり伝えたい、と。
Calliope:はい。日本のファンの皆さんはすごいパッションを持っていますが、英語の勉強は時間がかかりますからね。私も日本語の勉強をしないといけないと思っています。
亀山:学ぶのは英語のほうがラクだと思いますね。自分も完璧じゃないですけど、英語はかなり理論的にできている言語なので。日本語は複雑だし、一から勉強するのは大変ですよね。
Calliope:日本語は言葉が多いですね(笑)。
亀山:主語だけで何個あんねん!? みたいな(笑)。“私”なのか“俺”なのかでニュアンスが変わるし、こちらの意図と違った受け取られ方をすることもある。日本語は表現の幅が広い言葉ですけど、そういう面倒くささもあると思います。
——英語の一人称は“I”だけですからね。Calliopeさんのファンは英語圏にもたくさんいるし、言語のバランスは大事ですよね?
Calliope:そうですね。海外のファンはもちろん英語のリリックのほうが好きなので。私自身は日本語の音楽ばかり聴いてるんですけどね。
亀山:そうなんですね。
Calliope:日本の音楽のメロディのセンスやコード・プログレッションも好き。ルーツは日本の音楽だから、日本語も使いたいと思ってます。
亀山:歌詞の内容はわかったほうがいいですからね。逆に、何を言ってるのかわからない魅力もあると思っていて。言葉の響きだったり、音だけで好きになって、その後で「こういうことを歌ってるんだ」というのも楽しみ方のひとつだなと。
Calliope:そう思います。だからこそMVが大事なんですよね。英語を話す人も話さない人も、日本語を話す人も、みんなが楽しめるMVにしたくて。そういう意味でも「LET’S JUST CRASH」のMVは最高です!
亀山:よかった。確かに、歌詞と映像がリンクするような演出にこだわっていましたね。

——亀山監督の作品も、会話のテンポ感がすごくいいですよね。
亀山:そこはすごく大事にしているところですね。ただ『ミルキー☆サブウェイ』は、ちょっと日本語の会話劇に頼り過ぎたところがある気がして……視聴してくれた方の比率も、『ミルキー☆サブウェイ』は日本人が多いんですよ。日本語での会話の魅力は、日本語を話さない人には伝わりづらいのかなと思ったり。そこはCalliopeさんが抱えてるジレンマと一緒というか、「どうしたら言葉の壁を越えてもらえるか?」はやっぱり難しいですね。
Calliope:そうですよね。
亀山:音楽だったらサウンドや歌詞の響き、映像だったらデザインや演出、表情などでまず作品を好きになってもらって、その後「言葉も理解したい」と思ってもらえるのが理想なのかなと。
亀山監督が考える「日本特有のカオス感」「ちょうどいいダサさ」
——亀山さんの作品は世界中の人たちが楽しんでいるわけですが、キャラクターのデザインや演出においても“英語圏でウケる”、“日本向け”みたいな意識はあるんですか?
亀山:“どこの国でウケそうかな”みたいなことは考えてないですね。誰が観ても「魅力的だな」と思えるビジュアルにしたいのと、あとは日本っぽい要素はある程度入れたいと思っています。世界中の人に観てほしいからといって、デザインなどをすべて世界基準にしちゃうと、結局は「どこの国の人が作っても同じビジュアル」みたいなことになりかねない気がするので。本当の意味でのグローバリゼーションは、それぞれの国や文化、アイデンティティを取り入れることで成立すると思うんですよ。
Calliope:そうですよね。世界中の人にアピールしようとすると、キャラクターのデザインはつまらなくなると思う。Calliopeのファンの多くはアニメ好きだし、日本のカルチャーに興味があるので、「LET’S JUST CRASH」のキャラクターのテイストはちょうどいいと思います。最近はアメリカ全体でも日本のアニメが人気ですよね。
亀山:アメリカの映像作品でも、東アジアっぽい要素が増えてる印象があります。逆に日本でも、自分もまさにそうですがハリウッド映画の影響を受けている作品が増えてる気がして。いろんな国の要素に影響され合って、新しいスタイルが生まれているんだろうなと思いますね。


——亀山さんは、もともと欧米スタイルのアニメーションに憧れがありアメリカに留学されたとのことですが、実際に現地で学んだことで、日本の要素も必要だと実感したということですか?
亀山:確かに、留学したことが重要なきっかけになっていると思います。以前は日本のガチャガチャした風景があまり好きじゃなかったんですけど、アメリカに行ったことで、「あのガチャガチャ感も魅力なんだろうな」と思うようになれた。日本特有のカオス感も取り入れてみよう、みたいなマインドの変化がありました。あとは“ちょうどいいダサさ”。100%カッコいいものよりも、そのほうがとっつきやすいんじゃないかなと。
——Calliopeさんのアルバム『DISASTERPIECE』、亀山さんの劇場版『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』は、お二人のキャリアにとって大きなポイントになると思います。今後の活動ビジョンについて聞かせてもらえますか?
Calliope:秘密のプロジェクトがたくさんあります! 音楽を作る熱量がすごく増えているし、すぐに新しい作品を出したい。作曲ももっとやっていきたいですね。
亀山:素晴らしい。私もどんどん作品を作っていきたいんですけど、これまでのやり方だと間に合わなくなってきてるので、制作の規模をもう少し大きくしたいですね。いろんなお話もいただいてるんですが、まずは自分の足元を固めるのが先かなと思っているところです。
■リリース情報
『DISASTERPIECE』
2026年2月6日(金)リリース
配信・購入リンク:https://lnk.to/mc_dp_ec
【LIMITED “MORIPHEUS”BOX(CD+GOODS)】
※Mori Calliope International Online Shop/UNIVERSAL MUSIC STORE限定販売
品番:PDCN-1945
価格:8,800円(税込)
CD(10曲収録)
肩乗せぬいぐるみ
ブックレット
【LIMITED COLLECTOR’S BOX(CD+GOODS)】
※Mori Calliope International Online Shop/UNIVERSAL MUSIC STORE限定販売
品番:PDCN-1946
価格:7,150円(税込)
CD(10曲収録)
SHOELACES
アクリルキーホルダー
ポスター ver.B
ブックレット
トレカ ver.B
【初回限定盤(CD+GOODS)】
品番:UPCH-29501
価格:5,500円(税込)
CD(14曲収録・うち10曲は他形態と同様)
ポスター ver.A
ブックレット
トレカ ver.A
【通常盤(CD)】
品番:UPCH-20715
価格:4,400円(税込)
CD(10曲収録)
<トラックリスト>
1.Orpheus
2.LET’S JUST CRASH
3.Gold Unbalance feat. 中島健人
4.Die For You
5.天誅 & Mercy feat. 10-FEET
6.Ningen Dakara
7.Rivals and Equals
8.INSOMNIAC BLACK
9.Shuuden
10.Memento
※初回限定盤
1. Orpheus
2. LET’S JUST CRASH
3. Gold Unbalance feat. 中島健人
4. Die For You
5. 天誅 & Mercy feat. 10-FEET
6. Ningen Dakara
7. Rivals and Equals
8. INSOMNIAC BLACK
9. Shuuden
10. Memento
11. FLASH BANG feat. PES
12. Seeing Stars feat. Lotus Juice
13. Sepia feat. TOOBOE
14. Die For You feat. ARTMS
■関連リンク
YouTube:https://www.youtube.com/@MoriCalliope
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