2025.12.12 12:00

もさを。はなぜ“恋愛ソング”を歌うのか　学生時代に出会った愛、音楽……新曲「スノードーム」に至る原点を語る

清水翔太、ONE OK ROCK、RADWIMPS……もさを。を作り出した音楽

――もしかしたら、それまでに聴いてきたものや触れてきたものが影響をしているのかもしれないですね。ということで、もさを。さんの音楽遍歴を教えてください。

もさを。：音楽を始めたきっかけは、『Mステ』（テレビ朝日系『ミュージックステーション』」）で清水翔太さんを観て「僕もこうなりたい」と思ったことです。聴いてきた音楽で言うと、最初に聴き始めたのは、ONE OK ROCKとかRADWIMPSといったロックですね。子どものころは野球をやっていて、音楽はまったくと言っていいほど聴いていなかったんです。だけど高校に入って、友達がONE OK ROCKやRADWIMPSを聴いていて。僕も聴いてみようと思って聴き始めました。

――そこから音楽にどっぷりと？

もさを。：そうですね。普段から聴いていましたけど、失恋したときや友達とケンカしたときは、帰り道に公園に寄って、そこで音楽を聴いていました。気づいたら公園にいる、みたいな感じで。その頃にギターを始めて、コピーバンドを組みました。

――そこから「バンドで音楽をやっていこう！」みたいなことにはならなかったんですか？

もさを。：ならなかったですね。一度だけライブハウスにも出たんですけど、それくらいで。みんなそれぞれに将来やりたいことがあったので。

――そのなかで、もさを。さんは音楽を選んだと。

もさを。：といっても、僕も高校を卒業してから普通に働いていたんです。サラリーマンとして働いて、その傍らで、弾き語り動画をSNSに上げて。

――その頃は、「音楽でやっていきたい」という気持ちがあったんですか？それとも趣味というか、「チャンスがあれば」みたいな？

もさを。：そうですね。チャンスがあれば、くらいで。そうしたら、運良く見つけてもらえました。

――運が良かったんじゃなくて、実力があったからですよ。

もさを。：いや、たぶん運です。

――そう思うのは、普段から運が良いから？

もさを。：いや……だいたいじゃんけんは負けますし。

――普段じゃんけんで負ける分、音楽の面で運が味方してくれたんですね（笑）。

もさを。：そう思っています（笑）。

――運も味方につけて音楽を始めてからは、音楽が「歌うもの」から「聴いてくれる人に届けるもの」になっていったと思うのですが、ご自身ではその変化をどう捉えていましたか？

もさを。：それこそ反応をもらえることがうれしくて。動画を投稿するたびにコメントがもらえることで「次も頑張って投稿しよう」という気持ちになっていました。今でも、「聴いてくれる人がいる」ということが、僕の活動のいちばんのモチベーションです。

――音楽以外に、制作に影響を与えているであろう好きなものや、意識してインプットしているものなどがあれば教えてください。

もさを。：映画を観るのは好きですね。アクション映画は好きでよく観ますし、曲の着想を得るために“恋愛もの”を観ることもあります。それこそ「冬のプレゼント」は恋愛映画をヒントにつくった気がします。あとはアニメも好きですね。最近はあまり観られていないですけど、高校生のときはめちゃくちゃ見ていました。

冬のプレゼント / もさを。【Music Video】

――特に好きだったアニメは何ですか？

もさを。：『とらドラ！』（テレビ東京系）ですね。学生の恋愛もので。当時めちゃくちゃハマっていました。

――それこそ楽曲も恋愛の曲が多いですが、もさを。さんは、友達といわゆる恋バナをすることもあります？

もさを。：男友達といるときとかは結構しますね。

――ということは、学生のときから自分以外の恋愛観も入ってきていた？

もさを。：そうですね。僕、男女のあいだに入ることが多くて。男の子から相談されて、女の子からも相談されて、みたいな。恋のキューピッドのような感じでした。しかも、いろんな組み合わせの。相談しやすいんですかね。僕としては、「僕だけが知っている特権」みたいな感じで楽しんでいましたけど（笑）。

――そういう経験を経て、もさを。さんのなかにいろいろな人の恋愛観が入っているから、今こうして多くの人が共感する曲を作れているんですね。

もさを。：そう……なんですかね。そうかも。

――この先も、恋愛の曲を歌っていきたいですか？

もさを。：はい。人間って愛のために生まれてきて、愛のために生きていると思うんですよ。愛があれば人間って変われますから。だから恋愛の曲はずっと歌っていきたいです。

――「愛のために生まれて、愛のために生きている」という考え方は、いつから持っているのでしょうか？

もさを。：高校生の頃ですかね。当時付き合っていた彼女がいたんですが、どんなに落ち込んだとしても、彼女の愛があればなんでも乗り越えることができたんです。そのときに愛の偉大さを知りました。

――恋愛の曲をこれからも歌っていきたいとおっしゃっていましたが、そのなかでも歌ってみたいテーマなどがあれば教えてください。

もさを。：純粋な恋愛を描くことが多いので、ちょっと一歩踏み出したというか……そういうものも書いてみたいです。あとは、R&Bも好きなので、そういった音楽性にも挑戦していきたいですね。今までは数字を追っていたので、「いかに聴きやすいか」を求めてJ-POP要素を多くしていたんですが、これからはその考えをとっぱらって、もうちょっと好きなものをやってみようかなって。といってもまだ数字を気にしている自分もいるし、すぐに方向転換するということではないんですけど、ちょっとずつやっていけたらいいなと思っています。

――年明け1月には東京と大阪でワンマンライブ『Melody』が控えています。どんなライブにしたいと考えていますか？

もさを。：もちろん僕自身もファンの方に会えるのがめちゃくちゃうれしいですし、顔出ししてから初めてのワンマンライブなので、ファンの皆さんにはそこも楽しんでもらえたらと思っています。

――ちなみに、ライブはお得意ですか？

もさを。：ステージに立っちゃえば歌を届けるだけなんですけど、もともと人前で歌うのは苦手で。両親にも歌を聴かせたことはなかったんです。

――そうなんですか！？

もさを。：はい。「ぎゅっと。」でようやく聴いてもらったみたいな。

――それまでの動画投稿は隠していた？

もさを。：はい。親が出かけているときにひっそり歌っていて。

――高校生のときのバンド活動は？

もさを。：それも知らないです。

――そうだったんですね。では、今のもさを。さんの活躍を、ご家族はどのように見ていらっしゃるんですか？

もさを。：びっくりしていましたけど、「頑張って」と応援してくれています。それこそ1月のライブで、初めて家族を招待しようかなと思っているので、ファンの皆さんはもちろん、家族にも楽しんでほしいですね。