リアルピース ソロインタビュー Vol.1:かずぅ「僕は自分のことを神だと思ってる」 勝利の星のもとに生まれた理由

リアルピース・かずぅ、1万字インタビュー

泣き虫だけど、正義感はめっちゃ強かった

――昔から正義感が強かったんですね。

かずぅ:めっちゃ強かったです。小学校でイジめられてる子がいたら、助けてました。泣き虫だけど、正義感はめっちゃ強かった。

――それって、誰の影響なんですか?

かずぅ:おばちゃんが建築業の社長をしていたので、その血を受け継いだのかもしれないです。あと、お父さんも強い人なので、そういう家系なのかも。

――お父さんはどういう強さなんですか?

かずぅ:親があんまりお家にいなくて、6歳くらいからずっとひとりで生きてきたらしいです。おばあちゃんもそういうタイプなんですよ。生まれてすぐに両親から捨てられて、まったくの他人に育てられたんですけど、そこでは学校に通わせてもらえなくて。一緒に住んでいた子どもの教科書を盗み見て、独学で勉強して学力を身につけて、その結果、社長になったんです。おばあちゃんもお父さんも、小さい頃から自力で生きてきたタイプなんですよね。

――ふたりのたくましさを受け継いでいるんですね。

かずぅ:おばあちゃんは本当にすごかったですね。会社はうまくいっていたんですけど、おじいちゃんがあまり頭がよくなくて。おばあちゃんが土地を何十個も所有していたんですけど、それをおじいちゃんが全部売っちゃって。しかも、おじいちゃんが莫大な借金を作ってしまい、毎日悪い人に追われる日々を昔は送っていたらしいです。

――でも、土地を売ったならお金はあるんじゃないですか。

かずぅ:普通はそうなんですけど、おじいちゃんは騙されて、お金をもらえないまま土地を手放しちゃったらしいんですよ。で、逃げる生活をして。それでも、取り立ての人が居場所を突き止めて家にくるんですよ。その時におばあちゃんが台所から包丁を出して、「もうおまえらに渡す金はないから、私のことを殺せ!」「殺せるもんなら殺してみろ!」って。そんなことを繰り返していたら、取り立ての人が「もう、あなたのところにはきたくないです」と言われたらしくて。

――すごいな!

かずぅ:ね、すごいですよね。僕もよく「メンタルが強い」って言われるんですけど、強いわけじゃないんですよ。たとえば、リアルピースがダメになって解散しなきゃいけないとか、何か問題を起こしてやめなきゃいけなくなっても、「常に腹を括って生きているから何が起きても大丈夫」という思いで活動しています。きっとおばあちゃんの血が、自分にも通っているのかもしれないです。

――高校時代と同じく、大学もいい意味で派手だったみたいですね。

かずぅ:『men's egg』というギャル男系のファッション雑誌で読者モデルをしながら大学に通ってました。これがまた、大学時代もモテるんですよ(笑)。

――(笑)。

かずぅ:サークルに入っていたんですけど、大学3年生の時に僕が会長になりまして。僕は目標を掲げるのが好きなので、会長になった時に全員を集めて「この大学でいちばんすごいサークルにしよう!」「俺らの代で全部のサークルを打ち負かそう!」と公言して。

――サークルの勝ち負けってどう決まるんですか?

かずぅ:1年生をいちばん多く入れられたサークルが、その年の1位になるんですよ。で、僕が会長になった年、自分のサークルが1位になったんです。サークルではお金の管理も自分たちでやらなきゃいけなかったので、金銭的なことも含めて、リアルピースの活動にかなり活きていますね。

本当にゼロになって、あるのは貯金だけ。何もない状況からスタートしました

リアルピース・かずぅ(撮影=加古伸弥)

――大学卒業後は、一度就職をするんですよね?

かずぅ:就職したんですけど、「俺、一生ここで働くのかな?」と考えたら「いや、絶対にやめてるな」と思って。で、仮に25歳でやめるよりも、もう辞めるのが決まっているのであれば、今やめたほうが3年早く次のことができるじゃないですか。そう考えて、早い段階で退社しましたね。

――ちなみに、どんな企業に就職されたんですか?

かずぅ:飲食系の企業で、そこでは8カ月ぐらい働きました。すごくよかったんですけどね。社長からも期待されていたと思うんですけど、「自分のやりたいことをしないと人生後悔するかも」と思って芸能の仕事を始めたんです。

――会社をやめた時点で事務所に所属する約束を取りつけていたとか、先のことは決まっていたんですか?

かずぅ:決まってなかったです。僕はいつもそうなんですけど、何も決まってない状態でやめるんですよ。でも、動き出したらすごい。すぐに150社ぐらいの芸能事務所に手書きの履歴書を送りました。

――相当ですね。

かずぅ:会社をやめてすぐ、「これから1カ月はバイトをしながら履歴書を書く時間にあてよう」と思って、本当に1カ月間ひたすら履歴書を書いたんですよ。そしたら6、7社くらいから合格の連絡をもらいまして、最終的に有名な事務所と、あまり有名じゃない事務所の2社で悩んだんです。本当は後者のほうが僕は好きだったんですよ。でも、前者は有名な方たちが所属していて。迷ったんですけど、前者を選びました。

――安心感はありますよね。

かずぅ:そう、安心感を選んだんですけど……うまくいかなかったですね(笑)。

――自分の直感に従っていればよかった、と。

かずぅ:面白いですよね。「こっちのほうがお金を稼げそう」「名前が知られているから安心だ」という理由で会社を選ぶよりも、自分が行きたいと思ってるほうを選ぶのがいいんだと思いました。その事務所は3年間の契約だったので、満期のタイミングでやめて。次の事務所を探す時にも、同じパターンになったんです。前回の反省を思い出して、今度は自分が好きなほうを選びました。そうしたら、2社目の事務所ですぐにヒーローモノの作品に出演することが決まったんです。

――千葉県木更津のご当地ヒーローですね。

かずぅ:ありがたいことに、主役を2年間やらせていただいて。とはいえ、ヒーローだけでは生活費が稼げなかったので、バイトを掛け持ちをしていました。いい経験ではあったんですけど、「ヒーロー以外の道にも進みたいな」と思って、ある時、久しぶりにオーディション雑誌を買ったんですよ。そこでアイドルのオーディションを見つけて「面白そう!」と思って、履歴書を送ったんです。そこで合格をもらい、アイドルグループに入りました。28歳、29歳の頃は、ヒーローとアイドルの二足の草鞋だったんです。土日はヒーロー、平日はアイドル、というような活動をして。

――2社目の俳優事務所にいながら、アイドルグループの事務所とも契約をしたんですか?

かずぅ:はい。俳優事務所に所属しながら、アイドルをやっていました。2年の契約満了でヒーローは卒業して、半年ぐらいはアイドル1本の活動になった時に、コロナ禍に突入しました。

――そのあとにアイドルグループを卒業して。

かずぅ:そうです。自分ひとりで何かをやりたいと思ったんですよね。とはいえ、グループをやめないと新しいことができないじゃないですか。それで社長に「やめたいです」と言ったら「ダメだ」と断られて。まあ、急に言ったらそうなりますよね。

――グループとしては、当時赤坂BLITZとかでワンマンライブをしていましたもんね。

かずぅ:そうです、そうです。グループとしてもいい状況だったので「今、やめさせるわけにはいかない」と言われて。もちろん、会社の気持ちもわかるし、ファンの気持ちを考えたら「応援してるメンバーが抜けたら寂しい」と思いますよね。でも、「どうしてもひとりでやりたい」「ダメだ」の押し問答が続いて、最終的には「契約書にサインしてるんだから」と(笑)。

――なるほど。

かずぅ:3年契約を結んでいたんですけど、「やめたい」と言ったのがその期間よりも前だったんですよね。制約があるので出来事は話せないのですが、やめたあとの制約を結んで、脱退することになりました。アイドルをやめたと同時に、所属していた俳優の事務所もやめて。そこから完全フリーになり、本当にゼロになって、あるのは貯金だけ。日本一になることを掲げて、何もない状況からリアルピースをスタートしました。

何もないところから全てを作っていくYouTube!!

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる