リアルピース ソロインタビュー Vol.1:かずぅ「僕は自分のことを神だと思ってる」 勝利の星のもとに生まれた理由

リアルピース・かずぅ、1万字インタビュー

泣かない日はなかったですね。中学1年生ぐらいまで泣き虫だったんですよ

――みんなを統率するポジションを担っていたけど、幼稚園の頃から結構な泣き虫だったそうで。

かずぅ:めちゃめちゃ泣き虫でしたね。幼稚園って、帰りに親が迎えにくるじゃないですか。最初の迎えが自分じゃないと「お母さん遅い、ヤダ!」と思って泣いちゃって。いちばんじゃなきゃダメで、号泣しちゃう。それで先生が心配して、お母さんに「一大くんが迎えの時間になると、いつも泣いちゃうんですけど……」と相談したらしいんです。そしたらお母さんは「気にしないでください。すぐ泣く子なので」って(笑)。

――毎日泣いていたんですよね。

かずぅ:はい。もはや、泣かない日はなかったですね。普通は小学生くらいになったら、泣き虫だった子もそうじゃなくなるじゃないですか。でも、僕は中学1年生ぐらいまで泣き虫だったんですよ。かなり重症だったので、小4の時に親から「泣き虫を治すため」と言われて、剣道を習い始めて。月曜日と木曜日が剣道の練習。だから、月曜日、木曜日になると「お腹が痛い」と嘘をついてました(笑)。

――一大くんは決まって月木に腹痛を起こす(笑)。

かずぅ:はい(笑)。剣道場って寒いですし、足が冷たくなるし、とにかくイヤすぎてサボりまくって。で、お母さんに「大会に優勝したら辞めてもいいよ」と言われて。でも、練習してないから絶対に無理じゃないですか。地区大会は出場する人数が多いうえに、当時は小4だったので高学年の部に出ることになるわけで。ガタイが大きい5、6年生に交じって、体が小さい初心者の僕は普通であれば優勝できないと思うんです。でも、めっちゃ練習していた上級生たちをぶっ倒して、優勝するっていう(笑)。

――はははははは!

かずぅ:めっちゃ才能があったみたいで(笑)。大会が終わったあとに、理事長が感想を言うんですけど、「高学年の部で優勝したあの子の抜き胴は本当にすごい!」と褒められて。僕、全試合を抜き胴で勝ったんですよ。練習してないのに、胴を取るのがめちゃめちゃ上手くて。今考えると、その時から解読していたんだと思います。小学生の剣道って、大体の場合は面(頭を守る防具)を狙うんですよ。僕は面を打ってくるタイミングで横によけて、ガラ空きになったところで胴を入れる必勝パターンを編み出して、それだけで全勝しました。

――めちゃくちゃセンスがある。

かずぅ:うち、実はお寺の家系なんです。それで「一大の前世は武士だ」と小さい頃から言われていたんです。剣道の練習をしないでいきなり優勝したから「やっぱりそうでしょ!」と言われました(笑)。

――剣道の話で言うと、みんながかずぅさんの才能に嫉妬して、防具をつけてない箇所を狙ってきた話が好きです。

かずぅ:そうなんですよ! たまには練習に顔を出さなくちゃいけなくて、そうすると先輩が防具以外の場所を打ってくるんですよ。で、僕は泣き虫だから泣いちゃって。

――強いけど、泣き虫ではあるんだ(笑)。

かずぅ:あはははは! 本当にみんなが痛いところを狙ってくるんですよ。自分では気づいてなかったけど、もしかしたらそれだけ最初から剣道が上手かったのかもしれない。そうじゃないと、イヤがらせを受ける意味がわからないですよね。「こいつ、たまにきて調子に乗ってる」と思われたのかも。

先輩とかトップの人とうまくいったことが、37年間の人生で一回もないんですよ

リアルピース・かずぅ(撮影=加古伸弥)

――かずぅさんって、昔から先輩とか周りに目をつけられるタイプではありますよね。

かずぅ:本当にそう、めっちゃそうです。先輩とかトップの人とうまくいったことが、37年間の人生で一回もないんですよ。そんなことあります(笑)? 小学校の時も上級生と仲が悪かったし、中学生の時も先輩と仲悪かったし、高校もそう。大学では1つ上の先輩は僕のことを認めてくれていたんですけど、2つ上ぐらいの先輩からめっちゃ嫌われてました。大学を卒業して就職した会社では先輩から嫌われていたし、そのあとに芸能界に入って俳優の仕事をしていた時も先輩に目をつけられてて。たったの一度も先輩や上司に好かれたことはないですね。

――そういう星のもとに生まれたんですかね。

かずぅ:もしくは生意気なのかもしれないです。

――高校時代に関して言えば、かずぅさんはギャル男だったから悪目立ちしていた?

かずぅ:そうかもしれない! 高校時代はタメからも嫌われていたんですよ。

――あ、同い年からも?

かずぅ:高3の時、めっちゃモテたんですよ。1年生の女の子からめっちゃ人気で、食堂に行くとキャーキャー言われるんですよ。だから休み時間になると、仲良しの男子4人で食堂に行ってたんですよ。「俺ら、F4みたいだな!」とか言って(笑)。

――リアル『花より男子』状態だ。

かずぅ:でも、食堂に行ったり廊下を歩いたりすると、タメのヤンキーからめっちゃ睨まれて。タメからはめっちゃ嫌われて、後輩からはキャーキャー言われるっていう。

――睨まれたくないよりも、声援をもらえるほうが勝っちゃって。

かずぅ:そう、嬉しいから食堂に行っちゃう(笑)。ヤンキーに「放課後にツラ貸せ」って呼び出しをされたこともあるけど、「わかった」と言いつつ、結局行かなかったです。でも、次の日に何かされることもなくて。怖い感じがあったのかな?

――かずぅさんって声が大きいし、キャラも強いから、喧嘩を仕掛けても返り討ちにあいそうな感じはしますよ。

かずぅ:あはははは! 僕が通っていたのは、山梨県のヤンキー高校で。ヤンキーばかりだったのに、僕には一回も手を出してこなかったです。

――それって、登校初日にかましたのが大きいんじゃないですか。

かずぅ:高校の入学式前日にサッカーの練習をしていたら、1トンくらいあるサッカーゴールが倒れてきて、下敷きになったんですよ。それで顎、鎖骨、足の3箇所を骨折して身動きもできない状態になりまして。顎なんて顔1つ分ぐらいズレちゃって、皮もビヨーンって伸びちゃって。3カ月くらい入院して、夏休みの1週間前に初めて登校したんです。教室に初めて入って、先生に「あそこの席に座って」と言われて、自分の席に着いたら引き出しのなかがゴミだらけで。「え、なんで?」と思ったら、まわりのヤンキーたちがクスクス笑ってるんですよ。

――新人に対する洗礼ですね。

かずぅ:ここでビビったら、いじめられっ子になると思って、瞬時に頭のなかでいい方法がないかを弾き出して。何をしたのかと言うと、引き出しに手を突っ込んでゴミを全部後ろの席に「バーン!」って撒き散らしたんですよ。それで机を思い切り蹴って、「ああー!」と言いながらヤンキーみたいにだらーんと座って、みんなのことを威圧したんです。そしたら、それまで笑っていた奴がみんな真顔になって、その日の放課後には、全員と友達になりました。とっさにヤンキーのフリをしたら作戦成功。内心めちゃくちゃビビってたし、緊張しました。でも、やってよかったです。

――中学時代はどうして目をつけられていたんですか?

かずぅ:中学は、先輩から睨まれるというよりも、僕がズバズバ言っていたというか。「ボール拾いだけじゃなくて、ちゃんと練習したほうが成長するから、1年にもサッカーをやらせたほうがいい」って、中1の僕が先輩を注意するっていう。だから、嫌われたんでしょうね(笑)。

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