DIR EN GREY Shinyaが出会った“YouTube”という居場所 唯一のルール、こだわり、自身の変化まで語る

Shinyaが語るYouTube

 「DIR EN GREYのドラマーShinyaの日本一平和なYouTubeです。」という説明書きとともに、2021年1月から週に一度のペースで動画が配信されているDIR EN GREYのドラマー ShinyaによるYouTubeチャンネル「Shinya Channel」。クイズや「○○してみた」などのYouTuberらしい動画から、ライブのバックステージやドラム演奏まで幅広い企画に挑戦している。週に一度という更新頻度や企画の量は、ヴィジュアル系バンドマンのチャンネルのなかでも随一だ。

 ベテランV系バンドのYouTubeに関するコラム(※1)でShinya Channelを取り上げたところ、Shinya自身がX(旧Twitter)でリアクション。それをきっかけに、今回YouTubeチャンネルについての取材が実現した。意外なこだわりや目標など、ドラマー・Shinya目線ではないからこその貴重なインタビューとなった。(後藤寛子)

YouTubeは「自分との闘い」 ハードスケジュールでも続けられる理由

――YouTubeに関しての取材を受けることってあんまりないですよね。

Shinya:初めてです(笑)。

――貴重な機会をありがとうございます。『Shinya Channel』は、メルマガ会員向けの動画を紹介をするために始まり、2021年1月に一般公開動画の配信が始まったわけですが、どういうきっかけで切り替えたんですか?

Shinya:もともと一般公開することを見据えていたんです。チャンネルを作ったのは2016年なんですけど、当時はまだ「これからYouTubeがくるぞ!」みたいな雰囲気のときで。僕もチャンネルだけは作っておこうと思ったんです。だから、まずは会員向け動画の紹介に使いつつ、タイミングを見てぬるっと変えていこうと思っていました。

――なるほど。コロナ禍でチャンネルを開設したアーティストも多かったので、2016年というのはかなり早いですね。

Shinya:そう思います。

――DIR EN GREYという世界観が確立したバンドのなかでも、Shinyaさんは特に寡黙なイメージがあるので、YouTubeを始めたのが意外だった人も多いと思います。開設前から、YouTubeはよくチェックしていたんですか。

Shinya:よく見ていて、「これはくるな」と思っていました。メルマガ会員用の動画を作成していたときから、動画を撮ること自体が好きだったんですよね。

――最初の「【Q&A】初歩的な質問に答えたよ!」という動画を撮ったときのことは覚えていますか?

Shinya:すごく覚えてます。「最初に出すのはどういう内容の動画がいいかな?」って、ずーっと悩んでました。質問に答えるという内容に決めてからも、質問の出し方から音楽、照明、背景まで2カ月くらいかけて考えましたね。とにかくいろんなチャンネルをたくさん見て、どういうふうにしようかなって。

【Q&A】初歩的な質問に答えたよ!

――進行役の人がいるわけではなく、最初からひとりでやるスタイルで?

Shinya:そうですね。初期の頃の動画を見たら、すごくたどたどしいなって思います(笑)。

――どういう方向性でやっていくかは、もともと考えていたんですか。

Shinya:僕の趣味が、謎解きとボードゲームなんですよ。だから、とりあえず謎解きとボードゲームネタなら無限にできるなと思って、最初はそういう方向を押していこうとしていました。ただ、僕がそういうジャンルでやりたいこととかその面白さが、ファンの子には伝わっていないみたいなんですよね……。

――(笑)。企画会議のようなものはあるんですか?

Shinya:ないです。全部自分で考えているので。ネタも自分ひとりで考えて、カメラマンが必要なときは、マネージャーのスケジュールを確認してお願いしています。編集も自分ひとりでやっています。

――そうなんですか!

Shinya:今YouTube上に載っている動画は、もれなく自分ひとりでやっています。そのほうがスケジュールは組みやすいんですよ。「今からちょっとだけ撮ろう」みたいなこともすぐできますし。

――すごいですね。編集はどうやって勉強したんですか?

Shinya:会員限定の動画を作っていた当初は、知り合いに編集できる人がいたのでやってもらっていたんですけど。細かいところを「こうしてほしい」とか言っているうちに、自分でやったほうが早そうだなと思って、YouTubeを見て勉強しました。

――1本編集するのに、どのくらいかかるんですか?

Shinya:最初は結構時間がかかっていましたけど、最近はフォーマットが決まってきたので、サクサク作業できるようになりました。字幕を打つのは面倒くさいですけど、わりと早いと思います。

――いわゆる「ドドン!」とテロップが出てくるような編集ではなく、落ち着いた雰囲気がShinyaさんらしいですよね。

Shinya:そうですね。最初から過激な字幕とかはやめようと考えていました。

【ちいかわ】とってもかわいいちいかわチョコを作りました!

――撮影にはどれくらい時間をかけているんですか?

Shinya:企画によりますね。外でロケをするときは簡単なんですけど、家で撮る場合はカメラやライトを立てたり、撮るまでの時間が結構かかります。普通に家のリビングで撮っているだけなので。

――専用の部屋があるとかではなく?

Shinya:家で撮ることはあんまりないので。機材系は最初期にバーっと買い揃えて、ずっとそれを使っています。ロケのときは、よくYouTuberが持っているカメラがあるじゃないですか。基本は、それ一本です。

――バンド活動もあるなかで、撮影して編集して毎週更新とは。スケジュール的には無理なくできているんですか?

Shinya:無理はあります(笑)。でも、毎週更新は自分に課していることなので、自分との闘いですね。本職の方は毎日更新も多いので、すごいなあと尊敬します。

――十分素晴らしいですよ。ツアーの期間などもあるじゃないですか。

Shinya:逆にツアーがあると、ネタができてよかったりするんですよね。スケジュールや編集の時間がというより、とにかくネタ探しが大変なんです。毎回ギリギリで、ネタになりそうなことは全部取り入れていってます(笑)。実際、公開日の3日前まで何も決まってないこともあります。

――海外ツアーが決まったら、むしろ「よし、ここで撮れる!」と。

Shinya:そうそう。毎日ネタ探しの生活です。最近だと、DIR EN GREYのコラボカフェが決まったとき、いいネタができたなって思いました(笑)。ああいうのがいちばんやりやすいですからね。毎回ギリギリですけど、今のところネタが尽きたことはまだないですね。

【DIR EN GREY】タワレコカフェに潜入しました!【CAFE】

――X(旧Twitter)やInstagramもかなりマメに更新されていますし、大忙しですね。

Shinya:Xも絶対毎日更新すると決めていて。アカウントを作ったときから今まで、欠かしたことはないです。誰かに言われてではなく、自分のなかで決めているだけなんですけど、そうやって決めておくと続けられるんですよね。中途半端に期間が空いてしまうと、「もういいや」となって、たぶん一生更新しないと思う。会員限定のブログも月3回、1の位に“2”がつく日に更新というスケジュールを決めていて、それも欠かしたことはないです。

――それだけ続けられるモチベーションはどこにあるんでしょうか。

Shinya:YouTubeに関しては、やっぱりYouTubeが好きだからですかね。あと、編集作業が好きなんですよ。撮れ高がしょうもなくても、編集次第で面白くできたときに、「なんとかなった! すごい!」となるのが楽しいんです。

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