リアルピース、完全無欠のエンターテインメント! 『ピース of ふぁんたじい♡』で繰り広げた楽園を振り返る

2025年9月30日、東京・東京ガーデンシアターにてリアルピースが『リアルピース 3rdワンマンライブ「ピース of ふぁんたじい♡」』を行った。リアルピースらしい、元気いっぱいだった約2時間。同公演の模様をレポートする。

今回のライブは、こぺが主役。まずは映像で観客をライブの世界観に引き込んでいく。こぺは獣医、かちょーは警察官、なおは消防士、こーたは忍者、かずぅは有名人と、メンバーたちはそれぞれ小さい頃の夢を思い出す。こぺが「やっぱり獣医さんになればよかったな」と呟いたことをきっかけに、なりたかった職業の格好をしたもう一人の自分がメンバーのなかから登場。“現在”のリアルピースメンバーを閉じ込め、代わりにライブをしていくのだという。

オープニング曲が流れると、ステージ上にいたダンサーたちが動き出し、黒い衣装のメンバーがステージに登場。大きな歓声に包まれながら「『ピース of ふぁんたじい♡』、スタート!」とかずぅが宣言すると、「リアルピース」でライブが始まっていく。お馴染みの曲で一気に盛り上げ、「僕たちが元気の押し売りアイドル、リアル! リアル! リアルピース!」と挨拶。しかし、その口調はいつものメンバーとは違っており、映像の中で出てきた“過去のメンバーたち”であることがわかる。そんな中「みんなでテンション上げていきましょう」という言葉で始まったのは「ちょんまげベイビー」。〈さい!さい!さい!さい!さい!サイコー!〉という観客の掛け声もばっちり揃い、序盤から大盛り上がりだ。さらに「解脱」、「五柱」と和を感じる楽曲が続き、天井からは大量の桜吹雪が舞い散るという美しい演出も楽しめた。


リアルピースは、9月30日までTikTokスペシャル企画「TikTokで『プリティーボーイ』をバズらせるぞ!」を行っていた。それを受けて「(企画は)今日までだからさ、この動画も(TikTokに)上げてもらおうよ」「たくさん動画撮って拡散してください!」と「プリティーボーイ」を披露。息の合ったパフォーマンスで観客を魅了していった。続けてこぺとなおによる「ぷわぷわユニバース☆」、かずぅ、こーた、かちょーによる「チュー・シー・パイ」で盛り上がると、5人全員で「RUM-PUM」へ。終始、メンバーを呼ぶ声が会場中に響いていたのが印象的だった。


すると、かちょーが「『プリティーボーイ』、もう一回しようぜ!」と提案。かずぅは「もう飽きてるだろ」と止めるも、ダンサー抜きで「プリティーボーイ」をスタートさせることに。だが、モニター登場したこぺの「『プリティーボーイ』? そんなの時代遅れよ。今の時代はこれよ!」という言葉で、「プリティーボーイ」の別バージョン「プリティーガール」が始まる。アレンジも振り付けも照明もキラキラしていて、「プリティーボーイ」とはまったく別の世界観が広がっていった。

キュートなパフォーマンスが終わると、再び映像に。過去の自分たちに向かってこぺが「『アイドル辞めたい』なんてひとことも言ってないんですけど」「いい顔させちゃダメだよ」と言い放ち、現在のメンバーを奮い立たせる。ここで現在のリアルピースにバトンタッチ。「ここからは俺たちの出番だ!」と映像を終えると、「Ø」がスタートする。しかし、ステージ上にはかずぅの姿しかない。あたりを見回すとメンバーは3階、4階に登場。今まで以上の盛り上がりのなか、自己紹介曲を披露していったのだった。

現在のリアルピースにバトンタッチし、あらためて挨拶すると、こぺがステージに登場。「今日の主役はこぺでしょ? センター取らせてよ〜」「いいからどけよ!」と、かずぅとポジションをチェンジ。「早速こぺが夢の世界に連れて行ってあげる!」と曲振りをして、「ラッタ王国」へ。すると、メンバーは客席へ登場し、ファンと存分に触れ合っていった。
「こぺは小さい頃、自分を表現するのが苦手な子でした。今はYouTubeで『かわいいものが好き』『キラキラしたものが好き』と言っていますが、小さい頃はそういう世界は自分に似合わないと思っていて。どっちかというと、教室の隅っこで絵とか描いている子でした。友達関係も正直上手くいったことがなくて、周りとズレていると思って、早く大人になりたいなって。でも、そういう惨めな自分も僕だからって今は思います」と、こぺは思いを自分の言葉で伝えていく。そして、「これからみんなとリアルピースで一緒に作っていくストーリーを願って歌うので聴いてください」と曲振り。「物語」を歌い始める。おとぎ話のような世界観が広がったところで、空気が一変。ゴリラの格好をしたダンサーが客席に登場。「モンブランヘッド」だ。こーたが「声出せー!」と煽ると、観客の声も一層大きくなっていった。「生きていればツラいことだってある! でも、そんな時は俺たちが心のなかにいることを忘れるなー!」というこーたの声で「プレパラートハート」へ。メンバーたちはステージ上を端から端まで駆け回りながら、観客に言葉を届けるように歌い上げていった。

ここで「あと2曲で終了です」という言葉が。あらためて感謝を伝えると、「盛り上がる準備はできていますか!」とエンジンをかけて、「トレジャー」へ。今日いちばんの盛り上がりを見せると、ラストは「黎明」。5人全員が希望溢れる表情をしながらパフォーマンスし、ステージを後にした。
アンコールを前に、写真集第2弾の発売決定、アパレルブランドの開設、全国各地のZeppでの『リアフェス』開催、4thワンマンライブ開催決定を映像で発表。ここで、グッズTシャツに着替えたメンバーが「∞〜むげん〜」で再び登場した。告知内容を振り返り、写真撮影。あらためてひとりずつ挨拶していく。

「この5年間、変わってきたと思うんですよ。でも、自覚して変わろうとしていたんじゃなくて、自然に変わっていったというか。ここから“日本一”を獲るためにどんどんスピードアップして、どんどん登っていくから、これじゃダメだ、と。このワンマンライブからのかちょーは、なりたい自分に向かっていくように進化して、“NEWかちょー”として生きていこうと思っています!」(かちょー)、「アイドルという肩書にとらわれないで、自分らしくこれからも人生を歩むので、一緒にこれからも笑いましょう」(こーた)、「いろんな形で、いろんな瞬間で、僕たちに出会ってくれてありがとうございます。リアルピースは途中から応援してもYouTubeを観たらわかるように、漫画みたいに作っているので、皆さんを置いていきません。日本一を必ず獲るので最後までこの景色を楽しんでください」(かずぅ)、「僕って、基本ひとりで生きられないんです。ここまでこれたのも4人がいたから、りあぴぞく(ファンの呼称)がいたから、僕はここに立てています。このメンバーとりあぴぞくだったら、一歩一歩がめちゃくちゃ大股の一歩になっていくという確信を、今日感じました。これからも一緒に歩んでいってください」(なお)――それぞれが今日この日の実感を口にしていく。本日の主役のこぺは、事前に書いてきたという手紙を読み上げる。「このライブを終えて、あらためて“リアルピースのこぺ”として自信を持って進んでいきたいと思える日になりました。今まで自分に自信がなくてモヤモヤした気持ちがあって、パフォーマンスも上手くできなくて、メンバーとも素直に楽しむことができない日々が多かったんですけど、このような大きなステージでたくさん応援してくれている人がいて。心が折れてしまった時も続けてこれたのは皆さんのおかげだと思います。来年40歳になるので、体力や年齢が心配ですが、皆さんが元気が出るような、前向きになれるようなリアルピースとして活動していきたいと思います!」と語ると、歓声と拍手がステージに送られた。
ラストは「ばぐばぐぱーてぃー」、そして「特別な言葉」。銀テープも宙を舞い、これからのリアルピースの活躍を応援するかのようだった。日本一を目指してますます精力的に活動していくリアルピースの旅路から目が離せない。


























