櫻坂46はなぜ快進撃を続けているのか? “熱狂の構造”が加速させる勢い、Buddiesとの信頼関係
“櫻坂46には勢いがある”という強い実感ーーファンの共に歩む姿勢
その結束力や傾向は、USENの楽曲投票サービス『USEN 推し活リクエスト』にも表れている。ここで「Unhappy birthday構文」や「Make or Break」、「Addiction」などが首位を獲得したのは、単なる人気の結果ではない。『USEN 推し活リクエスト』とは、無料のリクエスト楽曲投票サービスで、リアルタイムランキングや急上昇など、その都度話題となっている楽曲がランキングとして反映される仕組み。SNS上でファン同士が「今日も投票しよう」「あと少しで追い上げられる」と声を掛け合い、日々の積み重ねを続けていた光景があった。全国の街頭BGMに、自分たちの好きな楽曲が流れる瞬間を作りたいというファンの願いが連鎖し、投票が“習慣”のように定着していく。その積み重ねが数字となって可視化されることで、Buddiesの熱量が日常の行動レベルにまで浸透し、経済的にも行動的にも“櫻坂46とともに歩む姿勢”を形作っている。
最新シングル表題曲「Unhappy birthday構文」という、どこか皮肉を含んだタイトルも、逆境を力に変えてきた櫻坂46の歩みを象徴していると言えるかもしれない。近年の楽曲で描かれているのは、欅坂46時代から続く文脈を踏まえた上で、社会へのまなざしや個人の葛藤といったテーマを持たせ、より立体的で温度のある表現へと深化している。その“前進”と“内省”が共存する物語性に、自分自身を重ねるファンも少なくない。そうした共感の広がりが、今の彼女たちの勢いを支えているという側面もあるだろう。
ファンの熱量と動員力がこれほど高い水準で噛み合っているグループは、現在の女性グループ市場を見渡しても稀な例だろう。改名以降の5年間、表現の軸を探りながら、ライブや作品を通して“櫻坂46としての意味”を更新し続けてきたこと。その積み重ねが、「勢いがある」という実感を伴って今語られる理由になっている。
2026年4月に控えるMUFGスタジアム(国立競技場)での5周年ライブは、その歩みがどこまで進化したのかを示す大きな節目となるはずだ。櫻坂46はまだ、完成形に向かう途中にいる。だからこそ、その過程で生まれる試行錯誤や成長の瞬間が、今一番輝いて見えるのかもしれない。
※1:https://www.oricon.co.jp/news/2416668/full/


























