NEWS、全国ツアー完走 居場所を約束し、“君のままで”と肯定するあたたかさ――横浜公演詳細レポート

ラストナンバーは「君のままで」 MCで語られた22周年を経た未来への約束
ライブの終盤では、カラフルな花とクローバーの葉があしらわれたセンターステージで「クローバー」を披露。メンバーがひとりずつステージに再登場し、ファンを想った真っ直ぐなリリックを届けていく。さらにセンターステージに全長約13メートルの大樹が出現し、桜の花吹雪とともに「さくらガール」、雪を模したバブルが降り注ぐ中歌われた「Snow Dance」と、舞台を色鮮やかに変化させていく。

「想いと声をNEWSに届けてくれよ!」の声で始まったアンセム「U R not alone」では、力強いボーカルと客席から沸き起こるシンガロングで会場の熱が一気に上がった。この瞬間のために生きている人がここにはたくさんいるのだろうと感じられるほどの、大きなうねりだ。「ありがとう!」「ひとりじゃないからね!」とファンに向かって叫ぶ3人はまばゆいばかりの光をまとっていた。そしてバンド、ジュニア、ファン、NEWSの3人がそろって笑顔を見せた「ラブとラブ」。彼らのかもしだすピースフルで優しい空気感が楽曲の持つキュートさとマッチし、幸福感に包まれた。
最後の挨拶で、小山は22周年を迎えた自分たちについて「ゆるぎなく変わらないことは、3人は船を降りていないこと」と語り、「NEWSの船はこれからもこの3人と皆さんでオールを漕いで進めていきたい」と強い決意を示す。また、今回4年ぶりにジュニアと共演したことについて「この事務所の伝統、ジュニアが先輩に憧れる……それを守っていけるように僕らも頑張ります!」と後輩への応援を呼びかけ、「次に会う日まで幸せでいてください! 心は健康に!」と約束を交わした。
演出や衣装を手掛けた増田は「希望~Yell~」のトラックを使って自分たちで作詞をした「クローバー」について「この曲も『変身』じゃんって、今回のツアーにピッタリだと思って選んだ」と語り、「来てくれるみんなが『ここにも居場所があったんだ』『ここが居場所なんだな』と思ってもらえるような場所が作れていたら嬉しい。またいつでもここに戻ってきてください!」「またここで会えるよね!?」と呼びかけた。
加藤は「俺はみんなの推しだけど、みんなは俺の推しだから!」と笑いを誘いながらもファンにエールを送る。「労働!」「勤労!」「勉強!」「しごでき!」と明日から始まるファンの日常を励ますコールで締め、会場を最後まで盛り上げた。
ラストナンバーは「君のままで」――〈ありのままでいい〉とそれぞれの在り方を全肯定するこの楽曲は、ライブでの数々の変身を通して、3人とファンにとってゆるぎないものを再確認するような時間になった。言葉の一つひとつを抱きしめるように、その重みを感じさせながら、軽やかな笑顔を見せるNEWS。曲の最後には、手書きの〈君のままで〉という文字がモニターに大きく映し出され、横浜アリーナがひとつとなって幸せを噛み締める。歌い終わった3人はステージから姿を消し、「変身」の声と文字でライブの幕が下りた。
アンコールなしの28曲。“変身”というコンセプトに沿いながらも、エモーショナルな楽曲の数々では、いつもどおりオーディエンスの居場所を約束するライブアーティストの表情だった。これはNEWSというグループの真髄だと思う。だからこそ、今回のライブでの鮮やかな“変身”にも説得力があり、その姿が心に残るのだろう。
聴く者の生き方や毎日に寄り添ったアイドルらしいアイドルでありながら、表現の限界に果敢に挑む現在のNEWSは、唯一無二の道を歩んでいる。NEWSが25周年を見据えて思い描く未来のステージは、きっと思いもよらない驚きに満ちた“変身”に違いない。

























