NEWS、全国ツアー完走 居場所を約束し、“君のままで”と肯定するあたたかさ――横浜公演詳細レポート

今年結成22周年を迎えたNEWSが、『NEWS LIVE TOUR 2025 変身』を開催。今回の全国ツアーは、8月にリリースされた15枚目のアルバム『変身』を携えて全国8都市19公演を3カ月かけて巡り、約20万人を動員。本稿では10月9日に行われた横浜アリーナ公演の模様をレポートする。
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驚きに満ちたオープニング、各ソロステージで見せた“個としての変身”
開演の時を迎え、ライトが消えた会場。ステージのモニターに映し出された文字とともに「変身」と告げる声が響き渡る――。メインステージの前方にメンバー3人が姿を現すと、観客も大きな歓声と拍手で彼らを出迎えた。
オープニングナンバー「変身」では、そのタイトル通り、何もないように見えたステージが次々と姿を変えていく。3人は黒を基調とした中世の貴族のようなジャケットに身を包み、バックダンサーを務めるジュニアがフラッグをはためかせ、バルーンの装飾によってクラシカルなお城のセットが組み上がっていく、という豪華で驚きに満ちた幕開けとなった。代表曲「チャンカパーナ」については、今年6月に全編英語詞にアレンジした「Chankapana(English Version)」がリリースされたばかり。今回のライブでは、英語と日本語をミックスした特別バージョンを披露した。さらにアルバム収録のカバー曲「タッチ」、お馴染みの「weeeek」と続けざまに展開。「会いたかったぞ!」「飛べるのか!」と会場を煽り、ライブ巧者らしく熱を上げていった。
“変身”をテーマにした講義が描かれた幕間映像のナレーションは、声優・山寺宏一が担当。コンセプチュアルなムービーの中に散りばめられたユーモアセンスや独特のメッセージがライブの点と点を繋げていったのも見所だ。

NEWSの持つトレンド感やポップさが如実に表れたのが、次のブロックだ。背中合わせで円になり回転する、映像とシンクロしたパフォーマンスが楽しい「ドライアイス.zip」や、ユーモラスな動きや会場一体となったサビのダンスで盛り上げた「あっちむいてほい」。さらに「BE FUNKY!」や「恋のABO」といった楽曲でも、花道やトロッコでファンの近くへ移動しつつコミュニケーションをとっていく。
続く「WHAT'S NEW」では、ハンドクラップやダンス、シンガロングと、NEWSのライブだからこそ味わえる一体感に会場中が包まれた。3人の放つ熱いエネルギーに、ファンが反応して双方が温度を上げていく印象的な一曲となった。
MCでは、22周年を迎え、25周年を見据えていることを報告。「25年で何やりたい?」と野望を語り合う。小山慶一郎の「全シングルやっちゃおうよ!」の声に加藤シゲアキは「あの時(全シングルを披露した20周年ライブ)でギリよ、表面張力のギリギリ、終わったあと出涸らし!」と笑いを誘う。増田貴久がカウントダウンライブなどで披露してきた干支コスプレと関連付けて「25周年だと何年?」「来年の午をもう考えてるのよ」と和やかに語る。この日は取材陣が入っていることもあり、さまざまな朝の番組向けのポーズをとって「(映像を)使ってください!」と懇願し笑いを誘うなど、MCタイムは何も決めないで話していると語るとおり、自然体ながら終始笑いの絶えない時間となった。
ソリッドな魅力あふれる「生きろ」や「恋を知らない君へ」といった、シンプルだからこそボーカルの表現力が際立つパフォーマンスも秀逸だ。そこに連なる「おやすみなさい」は、増田のソロアルバム『喜怒哀楽』に収録された加藤シゲアキ作詞の楽曲。今回披露されたNEWSバージョンは、増田のソロとはまた違った味わいだった。ファンを包み込むようなパワフルな歌声、切実なまでに言葉を届けようとする姿勢は、“変身”というテーマの中にありながら、3人のアーティストとしてのナチュラルな姿にも見えた。
そんな“変身”というテーマは、3人それぞれのソロパフォーマンスでも発揮された。
加藤の「Cocoon」はコンテンポラリーアート色の強いステージングで魅せた。繭の中から手を伸ばし続け、曲の最後には蝶へと羽ばたくパフォーマンスはまさに“変身”。一種のカタルシスを感じさせ、幻想的な雰囲気の中にあっても現実を思わせる。
増田による「TM」は、自撮りカメラを動かしながら花道を歩き、様々なアイテムを身に着けていくランウェイを作り上げる。照明や映像のカラーリング、ファッションによる自己表現と、全身からほとばしるようなダンス&ボーカル。彼の個性が会場を満たすようなステージだった。
小山の「CHOIYAMA」は、ジュニアの小山十輝とのコラボステージ。ショートムービーの導入からステージでのパフォーマンスへ、ミニマルなサウンドと独自の世界観に一機惹きつける。シュールでクールなダンス、コール&レスポンスでも沸かせ、様々な表情を見せていった。
表現力やアイデア、個性が光り輝く三者三様の“変身”だった。
ピンクのスーツ衣装でパフォーマンスしたブロックでは、大人の魅力が詰まった先鋭的なステージングで魅せていく。「ROOOTS」や「JUMP AROUND」を巧みなステップと熱いボーカルで聴かせたかと思えば、続く「BYAKUYA」では、ホラー映画のような雷鳴が轟く中で始まり、ゴシックテイストのステージで観客を引き込んでいく。和風テイストの女性口調で奏でられる「ごめんあそばせ」では、楽曲にぴったりの花魁衣装で驚かせ、扇子や番傘、キセルなどの小道具を巧みに操りながら妖艶にパフォーマンスした。























