総額356億円を動かした櫻坂46の経済効果――ファンダムの活性化、Buddiesの結束力と熱量の正体とは?
櫻坂46がまたひとつ、大きな記録を刻んだ。博報堂DYホールディングスと博報堂の共同研究プロジェクトが発表した「コンテンツファン消費行動調査2025」で、計1700以上のコンテンツの中から「支出喚起力」ランキングの1位に輝いたのである(※1)。ファンによる推計支出総額は356億円。昨年はトップ20圏外(※2)だったことを思えば、この急上昇は異例とも言えるだろう。
【ニュースリリース】
博報堂DYホールディングスと博報堂の共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、「コンテンツファン消費行動調査2025」を実施しました。https://t.co/zYWviPdoI3…— 博報堂広報室 (@HakuhodoKoho) August 20, 2025
調査によると、コンテンツ全体の支出額は過去最高を更新する一方で、支出者数は減少傾向にある。つまり、市場は熱心なファンによる一人当たりの支出が拡大する方向へと変化している。その中で櫻坂46が頂点に立ったことは、彼女たちの成功がマスメディア的な露出や知名度だけに依存していない証明だろう。むしろ、強固で結束力のあるファンダムをいかに活性化し、経済的価値に転換していくか。その設計図の成功事例として位置づけられる。
櫻坂46のファンダムを表す象徴的なエピソードとして挙げられるのが、楽曲投票サービス『USEN 推し活リクエスト』だ。これはファンが好きな楽曲に日々投票し、その集計結果に応じて全国の店舗や街中で流れるBGMが決まるという仕組み。ここで櫻坂46は「Addiction」(※3)や「Make or Break」(※4)で1位を獲得し、存在感を示した。長期間にわたってランキング上位を維持してきたNumber_iら強力なライバルと肩を並べ、熾烈な首位争いの舞台に食い込んだことは、ファンダムの結束力を改めて示す結果となった。その順位や数字に表れるのは単なる人気ではない。SNS上でファン同士が呼びかけ合う結束力こそが、この成果をもたらしている。
2025年8月24日に京セラドーム大阪でファイナルを迎えた全国ツアー『櫻坂46 5th TOUR 2025 “Addiction”』では約4カ月をかけて全国5都市11公演で計26万人を動員し、支出喚起力を裏付ける象徴的な出来事となった。ツアーファイナルで発表された13thシングルのリリース、2026年4月の5周年記念ライブ決定というサプライズは、その熱狂をさらに加速させた。






















