『THE LAST PIECE』候補生14人が挑む最大の試練 少年漫画さながらの展開へ――夢を体現する者=BE:FIRSTと激突、6次審査開幕
team Bの仮レコーディングでも、ラップが得意なHALは歌唱力をぐんと伸ばし、RENはラブソングに合った抜け感のある歌い方を追求。高音が武器のRYOTOは、前回の審査で課題曲の音域が合わずに苦戦し、KANONとパートをチェンジした経緯があった。「Secret Garden」も高音ではないが、自分なりに新たなレンジを模索したのか、少し低めのキーでも伸びやかに歌唱。レコーディングはそんなRYOTOの成長に大盛り上がりで、本人も楽しそう。しかし、その後「色気を全然出せてない。悪い意味でいつもの自分になってる」とひとりカメラの前でRYOTOは反省の色を見せる。パフォーマンス中の姿勢が悪いという指摘もあり、これらをどう乗り越えていくのかが彼の大きな課題だ。


一方、RAIKIは「恋愛経験がない」と語っていたように、うまく楽曲の世界に入り込めず、目線の置き方や魅せ方に悩んでいた。そこで、前回の審査の講評で「すべてを忘れてパッションだけで魅せるRAIKIが見てみたい。“考える”を“感じる”が超える瞬間を見てみたい」と言われていたこともあり、SKY-HIに直接相談をしてみる。そして、「人の評価に依存しない。自分と音楽の関係を強くする。自分の感性に依存する」というアドバイスをもらい、意識を変わったのか、新たな扉が開いたようだ。


また、TAICHIはわかりやすい個性を自分に見出せず、長いあいだ自信を持てずにいたメンバーだ。しかし、5次審査の講評でSKY-HIから「観てる側が全然拒絶されないパフォーマンス。歌声にダンスに包容力がすごくある。あなたのライブを観にきたファンは『私、生きてていいんだなって思いました』ってなると思う」「(それができる)アーティストはなかなかいない」という言葉をもらい、涙する場面もあった。コンプレックスが少しずつ解けていったTAICHIは今回の仮レコーディングで覚醒の片鱗を見せ、持ち前の柔らかい雰囲気を保ちながらも豊かな表現を歌声に乗せ、SKY-HIを唸らせたのだ。



体調が復活したGOICHIは、これまでの審査で感じた悔しさをバネに成長を目指すため、今回は楽曲に入り込むことを強く意識して歌唱。その結果、10代とは思えないほど大人っぽい表現やニュアンスをモノにし、新しいスタイルを見せる。SKY-HIからも「明らかに歌がうまくなってる」と絶賛された。
そして、今回の合宿で一皮むけることを期待されているのが、KANONだ。「自分がMVPと呼ばれるくらいのインパクトを残したい」――。よきライバルであり、同志でもあるRUIやTAIKIが、これまでの審査でMVPを獲得していたこともあり、自身のなかで焦りがあるようだ。悩んでいた高音のブリッジは地声で歌うことに決め、新しい表現に果敢に挑んでいく。KANONのパートは、実は別のチームでRUIが歌うパートと同じ。いわば直接的なライバルという構図に立たされた彼ら。しかし、RUIはKANONの歌を聴いて感嘆の眼差しを向けたり、食事中に隣同士で仲良くふざけ合ったりと、ふたりの関係性はまったく変わらないようだ。



14人全員が悩み抜き、大きな成長を遂げ、そしてたどりついた審査本番。14人はプロによるメイクとスタイリングで華やかに磨かれ、真っ白な衣装に身を包んで準備を整える。そして審査会場へ向かう直前、緊張する彼らに、SKY-HIは今回の審査に隠された秘密を明らかにしたのだった。


「ガチプロ審査」という名称で始まった6次審査。BMSGのオーディションとして正確に言うと、「VS プロアーティスト審査」という名前になるのだそう。つまり、本番では、とあるプロアーティストとの対決が待っているということだ。そして、「Secret Garden」はオーディション用の楽曲ではなく、そのプロアーティストがリリースするための新曲だったという。衝撃的な事実の数々に、参加者たちは思わず言葉を失う。そして、混乱する参加者たちの前に現れたのは、BE:FIRSTだった――。




BMSGのオーディションのすべての始まりの場所で、14人は憧れの存在と真正面から対決することになる。4年前の『THE FIRST』。当時の候補生たちは、「VS プロアーティスト審査」でSKY-HIと激突した。そして今、あの時の候補生たち=BE:FIRSTは、『THE LAST PIECE』で、その大きくなった背中を見せる役割となった。夢を追いかける者と、夢を今まさに体現している者――。まるで少年漫画そのものとも言わんばかりの展開である。候補生14名は未来を掴み取るために、憧れを超える覚悟を胸に、オーディション最大の試練へ挑む。































