BMSG名物のクリエイティブ審査へ! 『THE LAST PIECE』4次審査開幕、チームで見せる“音楽性”と“還元力”

 そして、本エピソードのラストを飾るのはTeam D。メンバーは、RYOTO、TAIKI、RAIKI、YU。このチームは、すでに自作曲をリリースしているTAIKIがリードすることに。BE:FIRSTを生み出したオーディション『THE FIRST』へ参加し、クリエイティブ審査で脱落してしまったTAIKI。前回の壁を超えるためにも、この審査へ懸ける情熱は人一倍強いようだ。にもかかわらず、TAIKIがカメラの前で語ったのは、「全員が『この曲最高だよね』って思えた状態で、いいパフォーマンスに持っていきたい。自分(のこと)は一旦置いておいて、サポートする立ち位置に回りたい」という謙虚な言葉。過去の経験があるからこそ出てきたのであろうこの言葉は、彼の成長の証そのものだろう。

 そんなTAIKIを中心にチーム全員で話し合って最初に決めた楽曲テーマは、“オーディション”。違う場所にいたみんながひとつの夢を目指して、同じ場所に集まったこと。見つかった新しい夢。まさに今見ている景色。ここで得たもの――。そんなものたちを言葉にしながら、楽曲テーマを深堀りしていく。チームの雰囲気は決して悪くなかったが、人見知りのRYOTOは、3次審査の時と同じようにチームメイトと中々目が合わせられない。距離を縮めようと、RAIKIが「好きなご飯は何なん?」と話しかけるが、RYOTOは「ハンバーグです」と即答したきり、沈黙してしまう。そんなRYOTOに対して、TAIKIはまるで父や兄のような親心も抱いているようで、「RYOTOにはいろんなことをしてほしい。ダンスとかこれから楽しみなことがたくさんある」と、あたたかな表情でカメラの前で語った。

 まだ打ち解けられないままの4人だったが、仮レコーディングへ。そこでSKY-HIが送ったのは、「“人生最後の曲”になったとしたら何を書くか。自分と真剣に向き合ってみて」というアドバイス。その言葉を受け取った4人は、「アーティスト人生最後に何を伝えたいのか」という壮大なテーマに向き合い始める。

 歌詞に悩んで行き詰まるYUとRYOTOを、年上のTAIKIとRAIKIがサポート。自分の意見を丁寧に聞きながら、優しく導いてくれる彼らの対応がRYOTOの心を絆したのか、次のシーンで映し出されたのは、変顔で思い切りふざけ倒すRYOTOと、それを見て笑い転げる3人の姿だった。最初の距離感が嘘だったかのように、3人に心を開いて明るい笑顔を見せるRYOTO。そんな彼の様子に、今まで見守っていたTAIKIとRAIKIも嬉しそうな表情を浮かべる。本来の自分を出せたRYOTOは、歌唱スキルもさらに上がっていき、りょんりょん先生も「言うことない。あなたの声、いい声だな」とベタ褒め。仮レコーディングでも伸びやかな美声を披露し、REIKOとAile The Shotaが思わず顔を見合わせるほどだった。SKY-HIの前でも緊張が解けてきたのか、英詞に目を通したSKY-HIに「(書く時に)ググった?」と聞かれると、「ググりました」と照れ笑いの表情を浮かべるRYOTO。もちろん、その場にいた全員が爆笑。RYOTOらしい愛され力が発揮された瞬間だった。

 そして、これまでサポート役をまっとうしてきたTAIKIの実力が炸裂したのも、仮レコーディングの場面だ。「“人生最後”だったら」というシチュエーションに、自分たちの思いを詰め込んだ熱いリリックを緻密なフロウに乗せて叩きつけ、SKY-HIたちを唸らせる。ブレスの音までコントロールして表現するTAIKIに、REIKOは「尊敬だよ、マジで」と素直な言葉で実力を賞賛する。

 順調に成長していく4人だったが、中間発表でほかのチームの振り付けを目にし、急に焦りが込み上げる。実は、彼らはここまで歌に集中して時間の大部分を割いていたため、振り付けに取り掛かれていなかったのだ。ここまで頼りになる姿を見せてきたTAIKIも、焦りのせいか、思うようにアイデアが出てこない。このまま苦しい展開に突入するか――と思われたが、ここで動いたのはやはりTAIKI。別チームの練習場所へ行き、YUとともに「アイデアください」と頭を下げる。これまでチームの垣根を越えてサポートし続けたTAIKIからのSOS。それをほかのチームメンバーは無下にするはずもなく、みなが当たり前のように親身になるのだった。RUIは「俺らの見る?」と見学に誘い、RENやISANAはTeam D用の振付けを惜しみなく提案。もはやオーディションの枠をも越えた、同じ夢を追う仲間としての関係性がそこにはしっかりと築かれていた。

 多くの人の協力もあって振り付けの制作は進み、いい雰囲気を保ったままパフォーマンスは完成へ向かっていた。しかし、本番前日。声変わりでYUは声が出にくくなってしまい、RYOTOも喉の不調を訴え始める。特に歌声が武器だったRYOTOは塞ぎ込みがちに。そんなRYOTOに寄り添ったのは、3次審査で同じく喉をいためながらもパフォーマンスに臨んだRAIKIだった。「調子が悪くても気持ちが落とさないことが大事」だと学んだRAIKIは、常にRYOTOを優しく見守り、時にふざけ合いながら傍で励まし続けた。

 今の自分たちにできるベストを――。そんな思いで迎えた審査本番、4人は「RIGHT NOW」と名付けた曲に人生を懸けてパフォーマンス。成長途中にいる彼らの一瞬の輝きを閉じ込めたような眩しいステージを届ける。それを見つめるSKY-HIの目には、涙が浮かんでいた。ステージ後にTAIKIが、「今まで後悔や失敗もたくさんあるけど、結果『今が最高だったらそれでいいよね』という思いを込めた」と語ると、SKY-HIは「過去を成功だったことにするのは、今とか未来の自分たちだと思う。(パフォーマンスから)そういう力をすごく感じた」とまっすぐに伝えた。

 それぞれの信念がこもったパフォーマンスと着実に成長していく姿で感動を呼んだ3グループ。次回のエピソードでは、Team C、Team Eの4次審査の模様に密着する。このハイレベルな戦いに勝つのは誰なのか。その戦いのなかで、一体どんなドラマを見せてくれるのか。次にスポットが当たる彼らのパフォーマンスも見逃せない。

【THE LAST PIECE 本編】Ep.05 / Song of Us, Sing for You

▼『THE LAST PIECE』振り返り記事アーカイブ

BMSG、新オーディション『THE LAST PIECE』始動 少年たちの夢とSKY-HIが流した涙――早くも激戦の2次審査

BMSGの新たなボーイズグループ結成へ向けたオーディション『THE LAST PIECE』が6月27日よりスタート。BE:FIR…

RUIが抱く責任感、参加者が胸に秘める感謝……仲間への想いが紡ぐドラマ 『THE LAST PIECE』3次審査幕開け

『THE FIRST』から誕生したBE:FIRST、『MISSIONx2』から誕生したMAZZELに続く、3組目のボーイズグルー…

SKY-HI、20代の時に言われて嬉しかった言葉を参加者たちへ――『THE LAST PIECE』友情と愛情の3次審査後半

『THE FIRST』から誕生したBE:FIRST、『MISSIONx2』から誕生したMAZZELに続く、3組目のボーイズグルー…

『THE LAST PIECE』3次審査結果発表、20名が通過 SKY-HIが一人ひとりに語りかけた「心からのリスペクト」

『THE FIRST』から誕生したBE:FIRST、『MISSIONx2』から誕生したMAZZELに続く、3組目のボーイズグルー…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる