aespa、乃木坂46、Suchmos、優里、超ときめき♡宣伝部、TOMOO……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はaespa「Dirty Work (Feat. Flo Milli)」、乃木坂46「Same numbers」、Suchmos「Eye to Eye」、優里「輪廻転生」、超ときめき♡宣伝部「ハートな胸の内♡」、TOMOO「LUCKY」の6作品をピックアップした。(編集部)

aespa「Dirty Work (Feat. Flo Milli)」

aespa 에스파 'Dirty Work' MV

 勢いの止まらない4人組ガールズグループ、aespaの最新曲。数年前にAKLOがANARCHYフィーチャリングで出した同名楽曲を思い出したが、アンダーグラウンドとの比較が畑違いだとは思えない。くそヤバいHIPHOPとして同じくらい尖っているし、攻めている。韓国語と英語で構成されるクールな原曲に、米国のラッパー Flo Milliをフィーチャリング。メンバー4人の歌唱はあくまで抑圧的、掠れ気味の囁き声や吐息のセクシーさを重視したものなので、いい意味でお転婆娘のような空気を運んでくるFlo Milliの歌声が明るいフックになっている。それにしても、シンセベースの動きもリズムの差し込み方も、歌い方もオリジナル版のMVも、すべて破格のかっこよさ。(石井)

乃木坂46「Same numbers」

乃木坂46『Same numbers』MUSIC VIDEO

 4期生の賀喜遥香がセンターを務める39thシングル『Same numbers』の表題曲。切なさと諦念、その奥にある力強さをバランスよく内包したマイナー調のメロディラインを際立たせているのは、エレクトロやラテン、歌謡のエッセンスをほどよく散りばめたサウンドメイク。乃木坂46らしいポップネスのなかにほんのりと憂いやエモさを感じさせる上質なサマーチューンだ。歌詞のモチーフは、数字が揃ったデジタル時計の表示。ゾロ目の数字を見ると「なんかいいことありそう」みたいな気持ちになるが、当然、実際には何も起こらない。目の前の現実は偶然や奇跡ではなく、〈気づかぬくらい 頑張ってる〉日常の結果でしかないのだから……というのが筆者の解釈。あなたはどうだろうか?(森)

Suchmos「Eye to Eye」

Suchmos "Eye to Eye" (Official Music Video)

 2021年2月に「修行の時期を迎えるため」という理由から活動休止に入り、今年6月に行われた神奈川・横浜アリーナ2Daysワンマン公演でシーンに戻ってきたSuchmos。この復活ライブでも演奏された「Eye to Eye」は、新作EP『Sunburst』の収録曲。Sly & the Family Stoneの「If You Want Me To Stay」を想起させるベースライン、エッジの効いたギターフレーズ、洗練された鍵盤のプレイが溶け合うアレンジは、ロック〜ジャズ〜ソウル〜ファンクなどを有機的に結びつける彼らのスタイルを端的に示すと同時に、そのバンドグルーヴがさらに深まっていることを証明している。〈Eye to Eyeの距離で起こるサンバースト〉というラインが耳に飛び込んできた瞬間の歓びもこの楽曲のストロングポイント。夏フェス出演を経て、10月末からはアジアツアーがスタート。Suchmosの新しい旅がはじまる。(森)

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