Mrs. GREEN APPLE、SixTONES、ano、Chilli Beans.、水曜日のカンパネラ、TWS……注目新譜6作をレビュー

Chilli Beans.「pain」

　誰もが見て見ぬふり、知ってて知らないふりをしているのだが、生きるとはつまり、痛みそのものだ。一寸先は闇とはよく言ったもので、この先に何が起きるかわからないし、過去に経験した悲しみや苦しみは全然消えないまま身体の中に残っている。そんな当たり前の事実から目を逸らさず、それでもなお〈怖いものばっかりでも／そんな弱くないでしょ〉と歌う「pain」は、ロックミュージックがやるべきことを真正面からやり切っている極上の（または最悪の）ロックナンバーだ。ダークかつキャッチーなギターリフ、シリアスとポップを同居させたメロディ、あまりにも生々しい感情を込めまくった歌声を含め、これは現代の日本における「Smells Like Teen Spirit」（Nirvana）だというのは言いすぎか？（森）

水曜日のカンパネラ「シャトーブリアン」

　マリー・アントワネットに扮した詩羽のジャケットが鮮烈なニューシングル。牛肉の高級部位として名高い「シャトーブリアン」をテーマとし、ゲットーハウスを取り入れたサウンドの中、前半はただひたすら肉の部位を連呼する歌詞は初期の電気グルーヴのごとし。よく知っているあれやそれではないの。辿り着きたいのはアレなのよ。という感じで「シャトーブリアン」様は降臨する……はずなのだが、邪気のないコーラスで何度も何度も連呼されると、次第に全体のイメージが失われ、いつしか言葉の意味すら分解されてしまう。まさしく歌によるゲシュタルト崩壊。こういう遊びをやらせた時、ケンモチヒデフミはまだまだ驚きのカードを見せてくれる。（石井）

TWS「BLOOM (feat. Ayumu Imazu)」

　SEVENTEENの弟分として昨年デビューした韓国発の6人組ボーイグループ。日本デビューは7月予定で、日本1stシングル『はじめまして』に収録されるのがこの楽曲。TVアニメ『ブスに花束を。』（TOKYO MX系）オープニングテーマでもある。楽曲は以前から付き合いのあるAyumu Imazuがメインで書いているので、彼の柔らかなポップスに乗る形でTWSの名は世に広がっていくのだろう。これまでリリースされた楽曲も、ゴリゴリの国際派／HIPHOP路線ではない、ときめくアイドル王道ポップスが多いので、この曲調は決して日本向けの特別企画ではない模様。群雄割拠のK-POPシーン、果たしてこの路線はどう出るか。今後に注目。（石井）