Mrs. GREEN APPLE、SixTONES、ano、Chilli Beans.、水曜日のカンパネラ、TWS……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はMrs. GREEN APPLE「breakfast」、SixTONES「BOYZ」、ano「ハッピーラッキーチャッピー」、Chilli Beans.「pain」、水曜日のカンパネラ「シャトーブリアン」、TWS「BLOOM (feat. Ayumu Imazu)」の6作品をピックアップした。(編集部)

Mrs. GREEN APPLE「breakfast」

Mrs. GREEN APPLE「breakfast」

 軽快な4つ打ちのリズム、〈関係ない 居ない/目の前に居ない人を救う?〉という問いかけから始まる「breakfast」は、Mrs. GREEN APPLEの際立ったポップネスと切実なメッセージ性が共存した楽曲だ。サウンドはとにかくカラフル。特にサビ以降は飛び跳ねるようなビートと華やかに解放されるメロディが一つになり、フィジカルな気持ちよさを味わうことができる。そして歌詞の根底に流れているのは、なかなか消えることがない承認欲求や失敗を忌避するメンタリティ。誰もが感じている現代の暗さをしっかりと見据えながら〈とりあえず今日を生きよう〉と呼びかけるリリックは、おそらく朝起きたときの「あーあ」という気分を少しだけ軽くしてくれるはず。「クスシキ」「天国」「breakfast」の順番で聴くと、さらにすごさがわかると思う。(森)

SixTONES「BOYZ」

SixTONES – BOYZ [YouTube ver.]

 アニメ『WIND BREAKER Season 2』(MBS/TBS系)オープニングテーマとなる新曲。自分の居場所を見つけ、守りたいもののために戦う強さを――。そんな原作の世界観に寄せたハードロック調で、作詞曲はRyo“tono”Nakamura。もともとバンドをやっていた彼の血が騒ぐのか、相当アツいツインギターやソロパートが最初から最後まで炸裂している。これをクールに歌っては世界観が成立しないわけで、メンバーもがっちりアツく迎え撃つ。〈たとえ無謀だと/言われても構わない〉〈どんな不条理も面と向かってやるぜ〉など、ヤンキー漫画によく似合う決め台詞が揃うこと。今どき珍しい昭和タイプの曲だが、だからこそSixTONES楽曲としては新鮮。(石井)

ano「ハッピーラッキーチャッピー」

アニメ『タコピーの原罪』本PV

 2ndフルアルバム『BONE BORN BOMB』に先がけて配信された「ハッピーラッキーチャッピー」は、アニメ『タコピーの原罪』(TBS系)オープニングテーマとして書き下ろされた楽曲。ボーカルとギターを軸にしたシンプルなバンドサウンドのなかで映し出されるのは、悩みや葛藤を誰にも打ち明けることができず、一人で苦しんでいる主人公(おそらく子供)の姿。受け取りようによってかなりシリアスな状況が浮かんでくるが、サビに入った瞬間に勢いを増すビート、切なさから力強さに反転するメロディによって、前向きな光をわずかに感じさせるポップソングへと結びつけている。暗闇と希望を行き来しながらなんとか生きようとする姿勢をリアルに反映した、anoにしか体現できない楽曲だと思う。(森)

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