乃木坂46は前進することを諦めない “最強”を更新し続け、新たな歴史を刻んだ13回目の『バスラ』を振り返る

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』レポ

昔も今も、“だからこそ”強い 現在の乃木坂が示す希望

 メンバー39名が勢揃いしたあとは、いよいよ“新生”乃木坂46による総攻撃が始まる。ここで個人的に驚かされたのは、DAY2の「ぐるぐるカーテン」だろうか。この曲でセンターを務めたのは、なんと6期生の矢田。久保と池田に挟まれながら、若干恐縮しているようにも見えた彼女だが、その佇まいはすでに先輩たち同様に乃木坂46そのもの。もともと彼女が放っている空気感がグループのそれと近いものがあったのかもしれない。もちろん、それはほかの6期生も同様で、同曲をはじめとする“乃木坂クラシック”の数々や近年のヒット曲を先輩たちと一緒に歌い踊る姿は確実に“乃木坂色”に染まり始めていた。

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

 グループの歴史をしっかりと未来へと繋ぎながら、エンターテインメントとして常に更新を続けていく。これは決して簡単なことではない。人によっては「昔のほうがよかった」という言葉で現在を否定するだろうし、現メンバーの色が強く出ることを嫌う古参もいるだろう。しかし、それでも乃木坂46は今いるメンバーと新たに加わった仲間たちとともに、前進することを諦めない。

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

 DAY2のMCで中西は「素敵な先輩、カッコいい先輩がいて、大好きな同期がいて、そしてこんなに可愛い後輩が入ってきてくれて。私は乃木坂46の13年の歴史の、ほんとちょっとしか知らないんですけど、それでも今のこの乃木坂が絶対最強だって言いきれます!」と感極まりながら告げたが、これは決して“過去より今のほうがすごい”という意味ではなく、“過去はもちろんすごかったけど、今だって過去に負けないくらい強いんだ。最強を更新し続けているんだ”という思いが溢れ出した結果の発言だったのだろう。一部誤解されてしまう発言かもしれないが、彼女をここまで感情的にさせてしまい、ここまで言わせてしまうほど、乃木坂46というアイドルグループは魅力的なのだ……と筆者は受け取った。

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

 2日間で約11万人を動員した13回目のバスラを終え、6期生というまだまだ未知数の武器を手に入れた乃木坂46は、この7月から9月にかけて、全国7都市16公演という大規模なツアー『真夏の全国ツアー2025』に臨む。この7都市の中には、乃木坂46として初めてライブを行う香川県が含まれているほか、東京公演は“聖地”明治神宮野球場で2023年以来となる4DAYS公演を行う。現状を守るのではなく、少しでも新たな領域に踏み込もうとするチャレンジャー精神は、間違いなくかつての1期生から学び、引き継いできたものだ。この夏、初めてツアーを経験する6期生が、そして“新生”乃木坂46がどんな歴史を刻んでいくのか。結成時からグループを追い続ける立場として、今後もその動向を見守っていきたい。

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

『乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(撮影=鈴木健太(KENTA Inc.))

※1:https://realsound.jp/2022/05/post-1030698.html

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