ゆいかおりが“特別”な理由 小倉唯&石原夏織が歩んできた記念すべき15周年までの軌跡を振り返る
さらに二人は、2011年12月から能登有沙、松永真穂を加えた4人組ユニット・StylipSとしても活動を開始し、2012年にはアニメ『ハイスクールD×D』(AT-Xほか)、『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』(テレビ東京系)といった人気作の主題歌を担当。ユニットだけでなく小倉、石原個人のファンも拡大し、そこからゆいかおりの魅力にハマる人も続出することになる。2013年4月に二人はStylipSを卒業したが、これらの経験がゆいかおりのユニット活動にも還元されていったのは間違いないだろう。
ユニット活動としてはゆいかおり一本となった2013年以降も、楽曲リリースやライブ開催などをこれまで以上に積極的に展開。2014年からはライブ会場のキャパシティをどんどん拡大させ、2016年3月には初の日本武道館公演『ゆいかおり LIVE「RAINBOW CANARY!!」~Brightest Stage~』を成功させた。その勢いのままさらなる飛躍が期待されたが、2017年3月に“個々の活動のさらなる飛躍のため”、突如音楽活動の休止を発表。その後、2018年には石原がソロアーティストデビューし、以降はそれぞれのソロ活動に軸足を移していくことになる。
ここまでゆいかおりの軌跡を振り返ってきたが、15周年を記念したイベント開催のニュースがなぜこれほどまで大きな話題となったのだろうか――。当時、突如活動休止したユニットによる、8年という時を経た一夜限りのイベント開催というサプライズ的な側面ももちろんあるだろう。ただ、それ以上にファンにとってゆいかおりというユニットがそのものが青春であり、二人の歌声と笑顔に励まされてきた思い出があるからこそ、多くの人の間で喜びの声が上がったのだと思う。アーティスト、そして声優としてどんどん成長し続ける彼女たちを見守り応援してきたファンは、まさしくその愛称である“栽培係”そのものであり続けたのだ。
そして何よりも、10代の頃から苦楽をともにし、お互いが最大の理解者となっている二人のニコイチな関係性は、尊さや憧れ、感動といった様々な感情を当時からファンに与えてくれていたのだ。個々の活動を経てさらに輝きを増した二人が、一夜限りとはいえ“ゆいかおり”として15周年を迎えることは、本人たちにとってもファンにとっても何より特別なことである。アーティストとして、そして一人の人間として大きな果実を実らせた彼女たちが迎える15周年。2017年の活動休止の時には想像できなかった未来が見られるに違いない。

























