XG、底知れぬ未来への可能性 世界を巡った47公演は大きな糧に、初の東京ドームのステージ




バンド演奏を挟み、一部ヒョウ柄の入ったオーバーオールを着たメンバーが再登場。衣装替え後のステージは、激しく打ち付けるようなドラムと響くビートが印象的な音楽に乗せたダンスで幕開けへ。ヒップホップダンサーのSienna Lalauら、ダンサーチームも登場し、観客から絶えず歓声が沸き起こって、本公演最大級の盛り上がりに。そして、MAYAとCOCONAによる「SHOW YOU CAN」でクールなラップパフォーマンスが繰り広げられていく。続いて、メインスクリーンに大天使のようないでたちをしたJURINが登場。赤いショートヘアと目力のある表情が活きた、クールビューティな姿に大歓声が沸くと、ふわふわとした柔らかい毛皮の衣装に身を包んだHARVEYも登場。「Chill Bill」を披露して、観客を魅了した。そして、CHISA、HINATA、JURIAの3人で「Peaches」を歌唱。リラックス感あるサウンドの中に響く、高低音域を自在に行き来する表現力豊かな歌声に圧倒され、ここまでの3曲を通じて、ダンス、ラップ、歌、どれをとっても最高峰にスキルを持ったメンバーがいるXGのすごさと、彼女たちの人気の理由を改めて実感したステージとなった。



その後、白いスポットライトの中、スパンコールきらめくカラフルな衣装に身を包んだメンバーが「SHOOTING STAR」をパフォーマンス。軽やかなステージを披露した後、ライブはいよいよ終盤へ。「WOKE UP」で各メンバーの魅力をたっぷりと展開すると、ジャージークラブのビートを使った洗練されたHIPHOP楽曲「PUPPET SHOW」で、メンバーが会場に笑顔を見せ、公演と音楽そのものを楽しんでいる様子が伝わってくる。本編ラストは「IS THIS LOVE」。バラを手に持って歌うメンバーたちの重なり合うハーモニーが美しい。せり上がったステージで、会場全体を見つめてファンに愛を伝えるかのように歌い踊る7人。紙で作られた花吹雪も舞い、ファイナル公演の本編終了にふさわしい演出で幕を閉じた。


本編が終わった直後から、途切れないファンの歓声。それに応えるように始まったアンコールは、ツアータイトルとリンクした「狼が吠える映像」でスタートした。途中から狼が吠える姿と観客の声が共鳴し、不思議な空気に包まれていく。しばらくして、それぞれの魅力を引き出すカジュアルな衣装に身を包んだメンバーが「NEW DANCE」をパフォーマンス。楽しげな空気を作り出すと、本公演初のMCへ。


HARVEYが「東京ドームに立ってるの、ヤバすぎるー!」と笑顔を見せると、「ずっと昔から夢見ていたこのステージ。胸を張って自慢できるステージをつくり上げることができて、本当に幸せ」とコメント。そして、HINATAとJURIAの曲紹介から、ワールドツアーでファンと過ごした時間を描いたという新曲「MILLION PLACES」を初披露。5月14日にリリースされたばかりのこの楽曲では、世界各国の映像とともに、メンバーのハーモニーが会場全体に響き渡り、ファンに優しく語りかけるような歌やラップが印象的だった。楽曲の終盤ではメンバーと観客が手を横に大きく振って一体感が生まれており、ライブの新たな定番曲と言えるだろう。


トロッコに乗って「WINTER WITHOUT YOU」「MASCARA」を続けて披露した後、本公演最後のMCへ。ここではメンバーがそれぞれファンやスタッフ、プロデューサーなどに対し、感謝の気持ちを述べた。

最初にマイクを握ったCOCONAは、「こんなに素晴らしい景色を作ってくださって、本当にありがとうございます」と挨拶。11歳の頃からの「東京ドームに立つ」という夢が叶ったことに言及し、途中から感極まった様子で「ALPHAZに出会えたことが本当に幸せ」「これがちゃんと結果に繋がって、XGが宇宙で一番売れているくらいまでもっとビッグになるので、これからもよろしくお願いします」と言葉を紡いだ。MAYAも泣きそうになりながら、「本当にたくさんのALPHAZと出会えて、人生最高の思い出を作ることができた」とコメント。彼女は海外のファンに向けて英語でも挨拶し、スタッフへの感謝も述べた。JURIAはスタッフやファンへの感謝を述べつつ、韓国語でも挨拶。HARVEYとHINATAもファンへの愛をそれぞれの言葉で語りかけた。CHISAは、「どの瞬間も忘れられない思い出になったし貴重な時間でした」「ALPHAZが少しでも勇気を出せたり、癒されるようなことがあったらいいなと思います」とファンを気遣うコメントを口に。最後にJURINは、総括プロデューサーのサイモンへの感謝を述べ、涙ぐみそうになりながら「今日まで47公演できたのは、ALPHAZの皆さんがいてくれたから」「1年間のツアーは夢のような日々でとても幸せでした」「これからXGはもっと宇宙にまで行くので、ALPHAZと最高な景色を見たい」とコメント。彼女はメンバーへの労いの言葉もかけ、最後にメンバーが集まってハグをすると、観客からのメッセージプラカードのサプライズに驚きながら、「LEFT RIGHT」を披露してステージを後にした。

アンコールまでMCを挟むことなく、ほとんどの時間を歌とダンス、XGならではの世界観の表現で駆け抜けていった7人。初のワールドツアー開催とは思えぬほど多彩かつ圧倒的なステージで、XGの底知れぬ可能性を深く実感した約2.5時間だった。新曲「MILLION PLACES」からも感じられたが、世界を巡った47公演は、確実に彼女たちの大きな糧となっているようだ。その経験をもとに、XGがこれからどのような楽曲とステージでの表現に挑むのか。そしてどのような道を歩み、私たちにどんな世界を見せてくれるのか。この先の未来が非常に楽しみになるツアー最終日だったと言えよう。

























