Creepy Nuts、星街すいせい、&TEAM、JENNIE、HANA、amazarashi……注目新譜6作をレビュー

JENNIE「Love Hangover (feat. Dominic Fike)」

JENNIE「Love Hangover (feat. Dominic Fike)」

 BLACKPINKのJENNIEのソロデビューアルバム『Ruby』から先行配信された「Love Hangover (feat. Dominic Fike)」はシンガーソングライター/ラッパーのドミニク・ファイクをフィーチャーした、シックな雰囲気のダンスチューン。まず印象に残るのは、R&Bをベースにしながら、ドリームポップ的なテイストを反映したトラックメイク。斬新さと聴きやすさを融合させたサウンドは、国境を越え、世界中のリスナーを惹きつけるはずだ。気だるさとアジア的エキゾチズムを感じさせるボーカル、そして、終わりにしたいのについ手を出してしまう依存的な恋愛関係をモチーフにした歌詞も刺激的。デュア・リパ、ドーチ、チャイルディッシュ・ガンビーノなどが参加するアルバムへの期待が高まる。(森)

HANA「Drop」

HANA「Drop」

 ちゃんみながプロデューサーを務めたBMSGとのタッグによるオーディション『No No Girls』(Hulu)。身長、体重、年齢を問わず、「ただ、あなたの声と人生を見せてください」という言葉のもとで行われたこのオーディションから生まれた7人組ガールズグループ・HANAのプレデビュー曲「Drop」は、ちゃんみな自身が作詞作曲を手がけたHIPHOPナンバー。ドープかつシリアスな手触りのトラック、内に秘めた強い思いを描き出すフロウ、そして、メンバー自身のリアルな感情を刻んだ声が一つになったこの曲は、ジェンダーに関する価値観をアップデートさせたエンターテインメントを志す『No No Girls』のコンセプト、そして、社会から突き付けられる“NO”を乗り越えてきた彼女たちの在り方と直結している。(森)

amazarashi「生活の果てに音楽が鳴る」

amazarashi「生活の果てに音楽が鳴る」

 最新シングル『痛覚』のカップリング。ロカビリー調に跳ね回るリフとビートが新境地を思わせるが、歌詞自体は中心人物である秋田ひろむ(Vo/Gt)が続ける「秋田日記」で2013年に公開されていたものだそう。〈あの娘〉や〈詰め所〉や〈AMのラジオ〉などが飛び出す世界観はシブい日活映画のようでもあるが、ラストに出てくる〈どうせ家賃の足しにもならねえ/生活の果てに音楽が鳴る〉というのは当時の偽らざる本音かもしれない。ずっと温めてきた劇画的イメージや創作への譲れない思い。そこに古き良きロカビリースタイルや昭和歌謡風のメロなど、いい意味での“定型”を合わせることで、散文は一気に音楽へ。12年越しの結実となる一曲。(石井)

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