琴音、歩んできた集大成と未来へ踏み出す決意 初の試みでも驚かせた『Live 2025 -成長記-』

メドレーの後は、琴音の新境地とも言えるダークでディープな世界観を持つ「Heaven」で客席をひと時、ヒリッとさせた琴音。「ここの流れが私的な推しなんですよ(笑)。ジェットコースターみたいな」とセットリストに込めたこだわりを語る。続けて「ここからの後半戦は打って変わって、みなさんの心に明かりが灯るような曲をお届けします」と言い、「ライト」を歌い始める。冒頭は琴音自らがアコギの弾き語りで、その後にモチヅキのピアノと花井のベースが加わることで、曲の持つ輝きがグッと上がっていく。続く「君に」ではアコギに加え、印象的なストリングスの音色が重なることでドラマチックな展開を描き出していく。そんな2曲で鳴り響いた琴音の歌声は、まさにオーディエンス一人ひとりに降り注ぐ柔らかな光の粒のようだった。

最後のMC。デビューからの5年を振り返りつつ、「あんなこともあったな、こんなこともあったなとかいろいろ思うんですけど、結局やっぱりこれもまたひとつの節目でしかなくて。今日を祝いつつ、これからもどんなことがあるのかなと見守っていただけると嬉しいです」と思いを告げた琴音は、ラストソングとして15才前後の頃に作ったという「成長記」を弾き語りで届けた。これまで手にした成長と、ここから手にしていくであろう成長への期待が鮮やかに込められた歌声で、ライブ本編は感動的に幕を閉じた。
「アンコールで早く出ないと死んでしまう病」を持っているという琴音は、この日も客席からの拍手に導かれ大急ぎでステージに登場。アンコールの1曲目には、「明日への手紙」を未来への自分に向けて歌うかのように優しく届け、続けてファンへの感謝を強くにじませる「大切なあなたへ」を明るくポップに披露し、5周年という大切な節目を祝うライブをハッピーに終えた。

1月7日に23歳になったばかりの琴音にとって、この『琴音 Live 2025 -成長記-』はメジャーデビューからの集大成であると同時に、新たな1歩を踏み出す意味を持っていたはずだ。それを証明するように、ステージ上の彼女は今まで以上に開けたムードを纏い、今いる場所をしっかりと踏みしめた上で強い視線を未来に向けていたように思う。
〈いまはまだ夢の途中/僕は確かに ここに立ってる〉
1曲目に歌われた「願い」の歌詞が深く心に残るライブだった。
◾️ライブ出演情報
『温 響』
日程:2月28日(金)
会場:京都MOJO
出演:琴音、みゆな、(O.A)にっきぃー(ジンバジ)
『FUNKIST25th Pride of Lions tour 2000-2025』
4月4日(金)
会場:新潟CLUB RIVERST
出演:FUNKIST、ケミカル⇄リアクション、琴音
4月5日(土)
会場:長野INDIA live the SKY
出演:FUNKIST、二人目のジャイアン、琴音

























