PEDRO、『ラブ&ピースツアー』で再確認した“音楽を鳴らす意味” ハプニングを乗り越えて迎えた大団円

そしてライブは後半戦へ。「キスをしよう」のアユニの歌が、今の彼女が手にした強さを物語るように響き渡り、「春夏秋冬」の分厚いバンドアンサンブルがすべての感情を解き放つような迫力で届けられる。あまりにも壮大な楽曲の幕切れに呆気に取られたようなオーディエンス。アユニは「まだ終わらないです」と言っていたが、確かにフィナーレでもおかしくないような爆発力が、Zepp Hanedaには漂っていた。だがここからがまさにクライマックス。全身を使ったベースプレイとともに「清く、正しく」を披露すると、重厚なセッションから「吸って、吐いて」へ。曲が始まるとフロアから手拍子が巻き起こり、相乗効果でバンドの演奏にも一層の力がこもっていく。そして本編ラストとなった「グリーンハイツ」へ。「ぶちかましていこうぜ!」というアユニの叫びから始まったこの曲が、会場全体を巻き込んでとんでもないテンションで轟き、ライブはひとまず幕を下ろしたのだった。


その後、アンコールで再びステージに帰ってきた3人。「みなさんのおかげで、みなさんがここにいてくれるから、すごく楽しかったです」。アユニはそんな言葉でオーディエンスに感謝を伝えると、「愛せ」を歌い始めた。〈生きとし生けるものを愛せ〉という大きく、力強いメッセージが、会場の一人ひとり、そしてアユニ自身にも突き刺さるように響く。そして最後、田渕とゆーまおが鳴らす音に乗せてツアーを振り返るアユニ。楽しかったツアーの中でも埋めることのできなかったライブハウスがあって、「自分のことを疑いそうになったこともあった」が、目の前のオーディエンスと向き合って「自分はこのために音楽をやっているんだ」と思ったという。「私は音楽が好きです。でもそれ以上に人が好きなんだなと気づいたツアーでした。PEDROはもっとかっこいい曲を作って、もっともっといろいろなところに行けるように旅します。これからも面白がってもらえると嬉しいです」。そんな気持ちを込めた「アンチ生活」の震える歌声がファイナルを迎えたツアーを総括するように広がり、昨年から続いてきた長いツアーは終わりを迎えた。

終演後には4月から始まる新たなツアー『LITTLE HEAVEN TOUR』の開催も発表された。まさにアユニが言っていた通り、PEDROの旅は続く。きっとそこでも彼女たちはさらに強く、大きくなった音楽を届けてくれるはずだ。

























