PEDRO、最初で最後のZepp Tokyoで放った眩しい光 アユニ・Dの素直な言葉に触れた『後日改めて伺います』再現ライブ
PEDROが11月17日にZepp Tokyoで開催したワンマンライブ『後日改めて伺います』には様々な意味合いがある。
一つはそのライブタイトルが示すように、同日にリリースされた3rdアルバム『後日改めて伺います』を収録順に披露していく、完全再現ライブであること。そして、もう一つはPEDROにとっては最初で最後のZepp Tokyo公演であると同時に、この日が誰かにとっては活動休止前ラストのPEDROのライブになるということだ。
PEDROは12月22日に横浜アリーナで開催する『さすらひ』をもって無期限活動休止、充電期間に入る。現在、全国を巡っている『SAYONARA BABY PLANET TOUR』は、活動休止前にまだライブをしたことがない地域を中心としたツアーという名目のため、急遽こうしてワンマンライブが開催されることはファンにとっても貴重な公演の一つであり、東京都内としては実質のラストライブでもある。
ライブは2部構成。『後日改めて伺います』の再現ライブの後に、アンコールとしてPEDROにとってのキラーチューンをドカドカ投下していく、また別物のライブがスタートする。
「PEDROです。よろしくどうぞ」ーーアユニ・D(Vo/Ba)の一言を合図に、そこからPEDROは『後日改めて伺います』の10曲をMCなしで、まさに怒涛の勢いで畳み掛けていく。『SAYONARA BABY PLANET TOUR』ではすでに何曲かが披露されているというが、この日会場に足を運んだほとんどのファンがライブで聴くのは初めてであったはずだ。どこか緊張を孕んだ会場の空気感がそのことをリアルに物語っていた。
アユニが全曲の作詞・作曲を手掛けた『後日改めて伺います』は、1stアルバム『THUMB SUCKER』、2ndアルバム『浪漫』に比べると、よりオルタナティブな質感を纏っている。その象徴とも言えるのが、アルバムの1曲目を飾る「人」だ。アンコールラスト、アユニはステージから去る前にこの「人」に込めた思いを語り始めた。
「人は傷つけたり、傷ついたりして、お互い様で生きていると思うんです。だから、優しさに触れた時は、自分が大事な人だったり、家族とか友達(に対して)、優しい気持ちで生きていきたいです。私はそう思ってます」
アユニが今、特に思っていることが書かれた「人」には、生きるというエネルギーがパンパンに詰まっている。人に絶望しながら、でも、と人は生きていく。その、「でも」のエネルギーになっているのは、PEDROを支えるスタッフであり、アユニの前に広がるファン一人ひとり。この日もアユニはファンへと溢れる感謝の思いを自身から出るありのままの言葉で伝えていく。