GLAYが30年間探してきた“小さなもの”とは何だったのか 全国アリーナツアー最終公演を観て

GLAY、横浜アリーナ公演を観て

 「BRIGHTEN UP」MVの初公開に続いて、ファン投票で収録楽曲を決定する30周年記念ベストアルバム『DRIVE 1993~2009 -GLAY complete BEST』『DRIVE 2010~2026 -GLAY complete BEST』が、4月に2タイトル同時リリースされることも発表された。そして代表曲「Winter,again」でいよいよアンコールがスタート。続くMCではInstagramライブを開始し、メンバーそれぞれがツアーを振り返ってコメント。HISASHIパートでは、なぜかX JAPAN「X」をカバーする一幕も。笑いの絶えないなかで披露された「生きてく強さ」では、終始ピースフルな空気が会場を包んでいた。

GLAYライブ写真(撮影=岡田裕介 田辺佳子)

 約3カ月にわたるツアーを締め括ったのは、GLAYが敬愛する氷室京介とのコラボ曲である「ANSWER」だ。イントロが鳴ると会場がどよめいたほどのサプライズだったが、自身が憧れた80、90年代の音楽を表現した本ツアーの締めくくりとして、氷室京介という“時代のアイコン”とコラボしたこの曲以上に相応しい楽曲はないようにも思う。

 バンドという共同体を、30年もの間継続していくことは本当に難しいことだ。それでもGLAYは、人間の心の機微、さまざまな出会い、ファン一人ひとりの愛情……そんな“小さなもの”を大切に見つめて、30年間、愛を歌い続けてきたからこそ、今も第一線で活躍をすることができているのだろう。

 本公演で披露された楽曲は、全24曲。うち17曲もの楽曲に「愛/LOVE」という歌詞が含まれていた。そして最後の楽曲、「ANSWER」のラストフレーズは〈“LOVE IS BEAUTIFUL”〉。愛を歌い続けた30年を、愛そのものの美しさを讃えて締め括ったのだ。

 TAKUROは『Back To The Pops』を、“30年目のデビューアルバム”と称した。であれば本ツアーは、デビュー後初の1stツアーということになる。末恐ろしい実力を見せてくれた最強の“新人バンド GLAY”。今後のさらなる活躍に期待せずにはいられない。

GLAYライブ写真(撮影=岡田裕介 田辺佳子)

■セットリスト
1.なんて野蛮にECSTASY
2.天使のわけまえ
3.ASHES-1969-
4.春を愛する人
5.SOUL LOVE
6.海峡の街にて
7.さよならはやさしく
8.Buddy
9.シェア
10.BRIGHTEN UP
11.口唇
12.紅と黒のMATADORA
13.Beautiful like you
14.Eternally
15.whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-
16.Romance Rose
17.会心ノ一撃
18.誘惑
19.V.
20.疾走れ! ミライ
21.Back Home With Mrs.Snowman

En1.Winter,again
En2.生きてく強さ
En3.ANSWER

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