『なんてったってAKB48』のアイドルソングは“あえて”のセレクトに? ラインナップから選曲の意図を探る

 ほかにも、2000年代の楽曲がきれいに抜けているあたりなども興味深かった(1999年のモーニング娘。「LOVEマシーン」の次が、2010年のももいろクローバーZ「行くぜっ!怪盗少女」)が、ふと気になったのは、2005年の結成から数えて20周年を迎えるAKB48が、グループのレパートリーを収録したらどうなっていただろう? ということだ。

【ももクロMV】行くぜっ!怪盗少女 / ももいろクローバーZ

 カバーアルバムなんだから自グループの楽曲を選ばないことは当たり前といえば当たり前。それに、過去の楽曲とはいえ今も歌い継がれているものを“タイムマシン”を歌うカバーアルバムに収録して自ら歴史にしてしまうことが、グループにとってもファンにとってもあまり好ましくないのもわかる。しかし、ここにグループの楽曲を1曲並べて歴史の中に自分たちを位置づけるような試みが加わっていたら、このアルバムの聴こえ方もかなり違ったのではないだろうか。少なくとも、ノスタルジーの装置としての“タイムマシン”にとどまらない意味がそこに生まれていたはずだ。

※1:https://www.akb48.co.jp/news/detailpage/330420477

柏木由紀「今のAKB48が最強で最高」 黎明期から現在までのグループの歴史を総括した卒業コンサート

3月16日、神奈川・ぴあアリーナMMにて『柏木由紀卒業コンサート ~17年間、歩いて来たこの道~supported by イモト…

小泉今日子からAKB48、YOASOBIまで……アイドル像を描いた楽曲はどのように変化したのか? 歌詞に現れるファンとの距離感

TikTokをひらけば毎日のようにその楽曲が流れ、また鈴木愛理によるカバーパフォーマンスなども大きな話題となった、YOASOBI…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる