THE ALFEEの勢いはこのまま続く予感しかない 日本武道館で華々しく見せつけたキャリア50年のパワー
アンコールの声と拍手が響き渡る会場に、すっかりおなじみとなった「またさきのテーマ」が流れ、ブルー、グリーン、ピンクのメンバーカラーの照明のステージに、まさるの「ま」、たかみーの「た」、さかざきの「さき」による、本人たち曰く“ほぼ古希のジジイアイドル“「またさきトリオ」が登場。客席の色とりどりのグッズのマラカスライトの輝きが美しい。高見沢の「”オールドマン“が歌う、ヤングマン!」のかけ声とともに、「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」「星降る街角」と昭和の名曲を披露した後は、昭和ギャグのオンパレードのコントに。そして、波の音が流れてきて3人が立ち位置を整えると、次にどの曲が演奏されるのか気づいた客席からざわめきが起こる。イントロが流れると客席の歓声が高まり、始まったのは1980年代後半に活動した、THE ALFEEの別名義グループBE∀T BOYSのシングル「誰よりもLady Jane」へ。久々の披露なのもあり、振り付けが少したどたどしいのも親近感が湧いてくる。
「サンキュー、バイバイ」とテーマソングに乗せて3人がステージを去って程なくして、ファンキーなディスコサウンドに乗せて、坂崎がハンドマイクでリードボーカルを取る「FANKY CAT」へ。アルバム『天地創造』発売時のツアーにも使われた、大きな招き猫も登場して盛り上げる。ゴジラギターに持ち変えた高見沢がサポートメンバーのドラムスの吉田太郎、キーボードのただすけを紹介し、「We are THE ALFEE!」と叫んだ後は、「102回目の武道館、今年第53回目のみんな大好き『SWEAT & TEARS』!」。客席に銀テープが放たれ、会場に客電がつく。ステージの端から端までをフルに使ったフォーメンション、飛び跳ね頭を振る激しいステージング、そして客席との一体感。曲が終わって高見沢が「最高!」と叫んだが、やはりライブでのこの曲の満足感は半端ない。その勢いのまま「ライブの冬、THE ALFEEメタルの冬!」ということで、THE ALFEEの極上メタルナンバー「ジェネレーション・ダイナマイト」へ突入。爆発音が鳴り、炎が上がり、照明が激しく変わる。刺激的なナンバーを演奏し終わったメンバーとサポートメンバー5人が、客席に手を振り第一回目のアンコールが終了。
最高潮に熱気が高まった会場に、再びメンバーが登場。ステージ上で何やら相談をしている高見沢、坂崎の手には再びアコースティックギターが。「デビュー当時は武道館で102回のコンサートができるとは想像もしていませんでした。どこまでいくのかわかりませんが、できる限り続けていきたい」と高見沢が言うと、会場から期待を込めた温かい拍手が送られる。そして始まったのは3人が大学生時代によくコピーしていたというクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの「Find The Cost of Freedom」をメンバー3人だけで演奏。続く「シュプレヒコールに耳を塞いで」では、2人のエモーショナルなアコギの競演で会場を熱くさせる。
そしてラストはギターをおろした高見沢が感情豊かに歌い上げる「終わりなきメッセージ」。スタンドマイクを傾けたり、左右に走り回りながら歌うエモーショナルなステージを展開する中、客席にメッセージが書かれた羽の形をしたカードがふわふわと宙を舞い始める。〈You can change your mind!〉と力の限り雄叫びをあげた高見沢が、床に座りこんで演奏が終了。3人がおなじみの立ち位置に戻り、固く肩を組み頭を下げ、ギッシリと埋め尽くされた客席を見上げながら手を振りステージを後にした。
41年ぶりの出場となる『NHK紅白歌合戦』で、デビュー50周年イヤーの幕を閉じるTHE ALFEE。3人全員が古希となる桜井の誕生日1月20日から、配信番組『Come On! ALFEE!! Returns / Season 8』全5回がスタート。2025年春の全国コンサートツアー『THE ALFEE 51th Anniversary Spring Celebration』のスケジュールも発表され、その他にもたくさんの情報が公開されている。武道館からの帰り道、幸せに満ちた笑顔で歩く人々は、口々に「春ツアーはどこに参加するか」の相談をしていた。新規のファンを温かく迎える長年のファン、久々に交流を再開した旧友、THE ALFEEはコンサートを通じてファン同士の絆も深めているのだ。翌日24日のクリスマスイブコンサートのMCでは超満員の客席を見上げながら「50周年だからつられて来た人もいるのかな」と坂崎は語っていた。でもファンの笑顔を見ていると、THE ALFEEの勢いはこのまま続く予感しかない。2025年もさまざまな記録を更新していくであろうTHE ALFEEの、新たなフェーズがまた始まる。
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