THE COLLECTORSが体現するロックバンドを続けていく理想的なあり方 アルバムリリースツアー東京公演レポ
アンコールは「TOO MUCH ROMANTIC!」と「僕はコレクター」の鉄板曲2曲。「僕はコレクター」の後半で、オーディエンスからでっかいシンガロングを引き出した加藤は、「ずっとやり続けるよ。だから、ずっと聴きにきてね」と呼びかけ、返ってきた歓声に「わかった? お金ある時も、ない時も。(チケット代が)安いんだから!」とさらにかぶせてから、コールアンドレスポンスに戻った。
その後もコールアンドレスポンスが、THE COLLECTORSとオーディエンスが、お互いの気持ちを確かめ合うかのように、いつまでも続いた。
2年に一作、必ずニューアルバムを作り、そのリリースツアーを行う。バンド側も、オーディエンス側も、そのニューアルバムの曲を演奏するのを、聴けるのを、“緊張”と“期待”、両方の気持ちで待ち望んでいる。
ツアーで演奏される、それ以外の楽曲の多くは、必ずライブで盛り上がるアンセムではあるが、絶対毎回演奏される、というほど定番化してはおらず、ツアーの度に変わる。つまり、それだけの数、ライブで必ず盛り上がるアンセムのストックがある。
長年、作り続けてきた新作から、アンセムとして残っていくストックが、毎回確実に生まれ続けている、ということだ。たとえば「ひとりぼっちのアイラブユー」は、2018年のアルバム『YOUNG MAN ROCK』の曲だし。
というTHE COLLECTORSのやり方は、長年にわたってロックバンドを続けていくうえでの、かなり高いレベルでの、理想的なあり方なのかもしれない。観ながらそんなことを考えさせられるライブだった。
そんなこと加藤ひさしに言おうもんなら、大否定されるだろうが。「理想的なわけないじゃん、これくらいしか売れていないんだから!」と。
加藤ひさしがロックで与えたい衝撃「このまま死ねないよ」 THE COLLECTORS、26枚目のアルバムを語る
THE COLLECTORSが、26作目のニューアルバム『ハートのキングは口髭がない』を完成させた。古市コータローとのYouTu…
THE COLLECTORSがリリースを続ける理由 35周年、25枚目のアルバムに込められたバンドとしての信条
エレキギターとエレキベースとドラムと歌という、シンプルな手法で作る音楽ならではの魅力。60年代のブリティッシュビートやサイケデリ…