デュア・リパ、溢れる“美と知性”で放つ極上のダンスミュージック 圧倒的なスター性で魅了した来日公演

Dua Lipa、圧倒的スター性を放った来日公演

 3度のグラミー賞と7度のブリット・アワードの受賞者である世界的ポップアイコンのデュア・リパが、現在開催中の『Radical Optimism Tour 2024』アジアツアーの一環として、11月16日と17日にさいたまスーパーアリーナにて2公演を行った。

 『Radical Optimism Tour 2024』は、今年5月にリリースされたデュア・リパの最新アルバム『Radical Optimism』を携えたワールドツアー。今年5月末に開催が発表された今回の来日公演はデュア・リパにとって6年ぶりの来日公演となるだけあって、チケットは両日即完売。追加チケットの販売が行われるほどの人気を見せつけた。

 11月17日に行われた日本公演最終日は、ライブ開始予定時刻の17時を15分ほど過ぎた頃からスタート。暗転中のステージからバックバンドによるマーチングバンド風ドラムロールが鳴り響きだすとステージの照明がつき、巨大なアスレチックのような舞台装置が照らし出された。次にステージ後方のバックスクリーンにはデュア・リパのバストショット、続いて“Training season's over”というテロップが映し出されると会場に集まったファンの大歓声が一気に沸き起こった。

Dua Lipa「ラディカル・オプティミズム・ツアー」

 そして、それに応えるかのようにライブの開始を告げる1曲目「Training Season」がスタート。ライブの序盤からダイナミックな歌声とキレキレのダンスを見せつけたデュア・リパは続いて、EDMスターのCalvin Harrisとのヒットコラボ曲「One Kiss」を披露。このアップリフティングな“ディーヴァ・ハウス”曲の披露中に、デュア・リパは観客に向かって「Tokyo!」と呼びかけ、観客も大声援でそれに応えた。それを受けて、曲がサビに差し掛かるとデュア・リパは「歌って!」と叫び、観客と一緒にそのパートを合唱。さらに「ジャンプして!」と呼びかけ、それまでの会場の盛り上がりをさらに加速させた。まだライブ開始から2曲目にもかかわらず、いきなりライブはピークタイムのような装いを見せた。“美と知性が交差するスタア”とは、デュア・リパを称した言葉だが、そのパフォーマンス中の動きの所作を含めて、とにかく全てが美しい。この日、会場にいた全観客がそう感じていた証拠がこの序盤からの熱狂的な盛り上がりだった。

Dua Lipa「ラディカル・オプティミズム・ツアー」

 そして、3曲目「Illusion」披露時にデュア・リパは、「東京、調子はどう?」とMCで挨拶。ひさしぶりの来日公演を喜びつつ、ここからライブをさらに盛り上げていくことを約束し、「End Of An Era」を披露。ここまではダンサブルな楽曲を数多く持つデュア・リパの中でも特にハウスミュージック色が強い曲を基調したライブ構成になっていた。

 続く「Break My Heart」からは「Whatcha Doing」や大ヒット曲「Levitating」といったディスコ色が強い楽曲を中心に披露。特に「Levitating」の間奏時には、〈blast off〉〈arse off〉といったインパクトのある歌詞の一部がバックスクリーンに映し出されながら、“ダンスを止めずに踊り明かそう”というメッセージを発信。観客は踊りながら大合唱し、それに応えた。

Dua Lipa「ラディカル・オプティミズム・ツアー」

 こうして、会場が熱を帯びていく中、次に「These Walls」と初期曲「Be the One」を披露。特に「These Walls」では途中、バックスクリーンにデュア・リパが“Radical Optimism”と空中に文字を書き、それを最後に舐めるような仕草が映し出され、会場は大盛りあがり。これは「Houdini」のアートワークなど『Radical Optimism』期のプロモーションで使われてきたビジュアルイメージを彷彿させるものだ。そのためファンにとっては満足度が高いサービスパフォーマンスだった。

Dua Lipa「ラディカル・オプティミズム・ツアー」

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