VΔLZ、3人が作り出す唯一無二の空間　カバー／ダンス／生バンドなど多彩な魅力を見せた初ライブツアー

　にじさんじ所属のVTuber弦月藤士郎、長尾景、甲斐田晴によるユニット「VΔLZ」がライブツアー『VΔLZ LIVE TOUR 2024「三華の樂」』を開催中だ。横浜、大阪、仙台と全国3か所をめぐる、VΔLZにとっては初のライブツアーとなる。本稿では、9月14日のKT Zepp Yokohamaで行われた横浜公演の模様をレポートする。

　ツアー初日らしい緊張感に包まれる中、オープニング映像とカウントダウンが終わると会場の照明が落とされる。この日の1曲目は「黎明の轍」。イントロでアカペラが鳴り響くと、3人の姿が浮かび上がる。今回のライブのキービジュアルにも使用された新衣装での登場に、客席からは驚きと喜びのざわめきが起こった。続く「青春応歌」では、ストレートなボーカルと強烈なバンドサウンドによって、場を完全にVΔLZの色に染め上げていく。観客もその熱に応えるようにこぶしを振り上げ声を挙げ、早くも会場が一体となっていった。

　自己紹介やコール＆レスポンス、初披露となったお揃いの新衣装をお披露目と、和気藹々としたMCに続いて披露されたのは、「Treasure Believer」だ。「みんな練習してきたよね？」と事前に振り付け動画がアップされていたサビのダンスを、改めてレクチャー。時折目を合わせながらポジティブなメッセージを発信する姿からは、VΔLZの絆が感じられる。

　「DAY BY DAY」では、背景とシンクロした動きで、3人がそれぞれの部屋から街へ出て待ち合わせ場所に合流するストーリー仕立てのユニークな演出が。絶妙なハーモニーやフェイクを響かせ、歌唱力の高さでも魅せるパフォーマンスとなった。

　今回のツアーは3公演すべて異なるセットリストで構成されており、それぞれ違うテーマを掲げているという。この横浜公演では、デュエットでカバー曲を連続披露するというスペシャルなブロックが設けられた。

　弦月と長尾がキュートでポップなダンスを見せた「きゅうくらりん」（いよわカバー）、大人っぽいアレンジで聴かせた長尾と甲斐田による「夜咄ディセイブ」（じんカバー）、ハイテンポなダンスと声の相性でコンビネーションを見せた弦月と甲斐田の「パンダヒーロー」（ハチカバー）と怒涛のリレーが続いていく。さらに、「オドループ」（弦月・長尾／フレデリックカバー）、「Sign」（長尾・甲斐田／FLOWカバー）、「逆光のフリューゲル」（弦月・甲斐田／アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』挿入歌カバー）と続く。多彩なジャンルから選曲されたカバーメドレーは、バンドによる大迫力の生演奏と3人の個性が化学変化を生み出した特別な時間だった。