Haruto Douzen、時代をリアルに描写する歌詞への共感 人間の狂気にフォーカスした最新曲「存在 -TSUMI-」を聴いて

 作曲家でトラックメーカーのHaruto Douzenが新曲「存在 -TSUMI-」を9月11日にリリースした。シリアスなテーマを内包したダークな世界観の「存在 -TSUMI-」はHaruto Douzenの新しい扉を開く1曲となるはずだ。本稿ではこれまでのHarutoがリリースしてきた楽曲を振り返りながら、「存在 -TSUMI-」、そしてHarutoのアーティストとしての魅力について考えたい。

 国籍・性別・年齢、その一切が謎に包まれた覆面作曲家、Haruto Douzen。様々なジャンルの楽曲を制作し、海外の作家とも制作を重ねるなどワールドワイドなネットワークを駆使して活動を展開する作曲家だ。そんなベールに包まれながらもHarutoの楽曲はオリジナリティを強く感じる独創性のあるテーマ設定が印象的だ。

団塊! −D•A•N•K•A•I− (feat. パンダの流儀)

 例えば昨年11月にリリースした「団塊! −D•A•N•K•A•I− (feat. パンダの流儀)」はいわゆる1947年~1949年に生まれた団塊の世代をテーマにした1曲。打ち込みのサウンドでありながら演歌の要素や日本的なサウンドを取り入れることで団塊の世代というテーマ性とも一致しつつ、団塊の世代を母や祖母に持つであろう若い世代からの共感も獲得した1曲に仕上がっている。特に『梨泰院クラス』などで主演を務めた韓国のスター俳優 パク・ソジュンに対するラブコールが歌詞に入っているのだが、これが同俳優のファンにも刺さり、YouTubeなどの再生数も伸ばしている。

推し越えて純愛(feat. Makoto Shiono)

 同じく昨年3月にリリースした「推し越えて純愛」ではいわゆる”推し活”に身を捧げる若者をテーマにその純愛と紙一重な狂気を同時に表現する、現代ならではのテーマ設定で多くのリスナーを獲得。「団塊!-D・A・N・K・A・I-」「推し越えて純愛」どちらも大胆なテーマ設定と、楽曲の主人公に対する解像度の高さがリスナーから共感を呼んでいるのだ。

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