『音楽の日』1時間に及ぶ濃密なダンス企画 BE:FIRST、Travis Japan、THE RAMPAGE、ME:I……18組の熱演

 1on1ダンスから息をつく暇もなくハーフタイム後半を熱狂させたのは、次世代ホープによるコラボダンスステージ。LDHの新星でパフォーマー7人全員が日本発のプロダンスリーグ、Dリーグの選手であるTHE JET BOY BANGERZと、BE:FIRSTやMAZZELの所属事務所の練習生であるBMSG TRAINEEによる、年齢も経歴も異なる異色のコラボだ。特に後者には先日初公開されたばかりの練習生もいたのだが、歴の違いを微塵も感じさせず、底上げされる日本のエンタメ界の未来を明るく照らすものだった。

 後半も豪華ダンスバトルが続いた。「マイケル・ジャクソン対決」に挑んだJO1とTravis Japanは、「BEAT IT」と「BAD」でゼロ・グラヴィティや決めポーズなど特徴的なMJイズムを再現。GENERATIONSと新しい学校のリーダーズは「昭和の名曲対決」で「Romanticが止まらない」(C-C-B)と「恋のダイヤル6700」(フィンガー5)を選曲し、個性炸裂の振り付けで楽しませた。「布対決」では、青のグラデーションが鮮やかな扇子のような小道具で「アゲハ蝶」(ポルノグラフィティ)を踊ったAKB48・SKE48・NMB48・HKT48・NGT48・STU48のメンバーで構成されたAKB48チームと、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46を表すような淡い3色の布を用いて「白日」(King Gnu)を踊った坂道グループのコントラストが見る者を世界観へと引き込む。超特急と&TEAMの「イス対決」では、椅子を使って「魅せる」構成を作った超特急と、ベンチを滑り台のように見立てて爽やかにストーリー性を含ませた&TEAMのアイディアの違いも楽しむことができたのではないだろうか。

 バトルのラストを飾ったのは、BE:FIRST vs Snow Manの「映画主題歌対決」。BE:FIRSTは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』テーマソングの「One Last Kiss」(宇多田ヒカル)で、ジャズダンスを得意とするRYUHEIを中心にそれまでと打って変わって儚い世界を生み出し、数分前まで歓声がこだましていたスタジオを静寂に包み込むほど空気をつくり変えた。一方、Snow Manからは佐久間大介、岩本照、宮舘涼太が参戦し、『ロッキー3』主題歌の「EYE OF THE TIGER」(Survivor)でワイルドかつクールにパフォーマンス。体幹や脚力が肝となる難易度の高い振付だが、バク転からの腕立て伏せまで見事にこなし、会場を再び歓声で満たした。

 フィナーレでは選抜8名によるドリームチームが、今回も本企画のプロデュースと振付を担当したs**t kingzとともに、10日にリリースされたばかりの「MORECHAU」(s**t kingz)でダンスコラボ。最後には、「Uptown Funk (feat. Bruno Mars)」(マーク・ロンソン)をBGMに入れ替わりの激しいコラボでバトンを繋ぎ、1時間に及ぶダンス企画は総勢125名の大フィナーレで幕を下ろした。

 「ダンスバトル」と銘打ちながらも、対立するのではなくダンスを愛する者たちがその魂をぶつけ合い高め合う――企画の本質がそこにあることは明白だ。世界に通用するダンスレベルの高さはもちろん、何よりもダンスという世界共通言語を通じて生まれる感動や共鳴が私たちの心を動かし、アーティストだけでなくそれを見た人々の交流をも生んでいくことを再確認した企画だった。

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