DOBERMAN INFINITYが持つ“遊び心の本質” 結成10周年で到達したALL ROUND HIP HOPの最高点
10周年記念シングル『1st SONG』は“ALL ROUND HIP HOP”形態の最高点
ホモ・ルーデンス的な一貫したスタイルは、コロナ禍で制作された4thアルバム『LOST + FOUND』を経て、DOBERMAN INC時代の盟友にしてトラックメイカーBACHLOGICがプロデュースしたEP『milestone』でも実践されている。「原点回帰」というテーマながら、肩肘張らずに、クルー(仲間)を重んじる遊び心を忘れない。1stトラック「Where we go」の歌い出しで〈感じるままビートに〉とある通り。どうもDOBERMAN INFINITYのアルバムを通しで聴く醍醐味とは、1stトラックを絶対的なフックとして、またたく間にリスナーを作品世界に引き込んでしまうことにある気がする。『TERMINAL』では「GATES」、『#PLAY』なら「DO PARTY」が最高にキャッチーだが、逆にデビュー当時の1stミニアルバム『#PRLG』ではラスト近くにスウィートなナンバー「Boyz in the city」がしっとりしめくくるという、メロウネスましましのR&Bマナーが王道の魅力を放っていた。
こういう徹底した遊びのギミックを仕掛けてきた彼らだが、6月26日リリースの10周年記念シングル(14th)『1st SONG』でもBACHLOGICをプロデューサーに招聘して楽しましてくれる。1stトラックにタイトル曲が置かれ、イントロからすでにヤバい。というかサグい。〈五線譜の上踊るダイアモンド〉という極めて美しいリリックがあり、バックトラックのループに対するボーカルのフレージングやビブラートは、“ALL ROUND HIP HOP”形態のひとつの最高点に到達している。僕の愛聴ナンバー「JUMP AROUND ∞」から〈90年代へのアンサー〉というリリックを素直に受け止めるなら、それこそニュージャックスウィングの発火点になったGUYのデビューアルバム『GUY』に収録されている「Piece Of My Love」のメロディをミシェレーが歌い、ループさせた2Pacの「Run Tha Streetz」に通じている。見事な“90年代へのアンサー”ソングに仕上がっていると僕は思う。
2ndトラック「踊れピエロ」は、タイトルが示す通り、2拍子がクセになるダンスチューン。TikTokでのバズリポテンシャルも十分に感じる。ラストに配置されている3rdトラック「ラストフォーエバー」では、まさに“五線譜の上踊るダイアモンド”のようなバラードナンバーをドロップすることにも余念がない彼らに改めて魅了される。のびやかなビブラートをきかせるKAZUKIのボーカルフローが相変わらず素晴らしいが、埼玉公演を皮切りに、6月17日から開催される『DOBERMAN INFINITY LIVE 2024 ThanX “THE REVIVAL”』でのパフォーマンスが楽しみな一曲。同ライブでは、これまでの10年間にリリースした名曲をリバイバルする形式をとる。全曲が愛聴シングル・カットとも言えるDOBERMAN INFINITYだけに、参戦するファンは自分だけのディープ・カッツを選曲してみるのもいいかもしれない。
DOBERMAN INFINITYが『1st SONG』で改めて伝えたいこと 10年の歩みの中で見つめる“これから”
DOBERMAN INFINITYが6月26日、結成10周年シングル『1st SONG』をリリース。新鮮さとノスタルジー、王道な…
■リリース情報
DOBERMAN INFINITY10周年記念シングル『1st SONG』
2024年6月26日(水) 発売
◾️通常盤(CD ONLY)
1,320円(税込)
◾️初回生産限定盤(CD+DVD)
6,930円(税込)
※スリーブケース(プラスチック仕様_付き
◾️10周年記念盤(2CD)
3,300円(税込)
※スリーブケース付き
予約はこちら:https://ldh.lnk.to/0626PKG