林 和希、さらなる飛躍を誓った初ワンマンツアーファイナル 「これからも一緒に生きていきましょう」

林 和希、初ワンマンツアー追加公演レポ

 3月20日、『林 和希 LIVE TOUR 2024 “I”』の追加公演が東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催された。

 2023年よりソロプロジェクトを本格始動させた、DOBERMAN INFINITYのメインボーカル・KAZUKIこと、林 和希。2023年5月には今回のツアータイトルと同名の1stアルバム『I』を、今年2月には1stシングル『東京』をリリースした。どちらの作品も“極上のR&B”をコンセプトに、林自身が作詞作曲を手がけた楽曲が収録されている。本ツアーは、そんな楽曲たちを携えて林が初めて開催したワンマンツアー。ファンの声に応えて追加された待望の東京公演の模様をレポートする。

 定刻を少し過ぎたころ、大勢の観客で賑わう会場の照明が落ち、一滴の水が落ちる音が会場に響きわたると同時に、淡いライトがステージを照らし出す。薄い幕越しに浮かび上がったのは、林のシルエット。沸き起こる歓声と共に、アルバムの1曲目を飾る「I」からライブはスタートした。ギター、ベース、ドラム、キーボードの生バンドに、3人のコーラスチームも加わった豪華なサウンドがライブへの期待感を高めていく。演奏の決めと同時に幕が落ちると再び歓声が上がり、サングラスに黒のジャケットとパンツでスマートに決めた林が姿を現した。明らかに温度の上がった会場へ、伸びやかな歌声を官能的に響かせ、早くも観客を虜にしていく。

 続く「Show me what you got」「Nyte Flight」は夜の雰囲気漂うムーディな曲。2人の女性ダンサーが登場し、時折、林と絡みながら妖艶なダンスで曲の雰囲気を盛り立てる。さらに「One Day」「Lonely」では、コーラスと共に重厚感のある豊かなハーモニーを生み出し、観客を酔わせた。

 「久々の曲を」という前振りから、DOBERMAN INFINITYの「LOVE U DOWN」、さらに「Citylights」をたっぷりと聴かせる。暖かみのあるオレンジ色のライトがいくつも灯るステージの上をゆっくりと歩き、観客一人ひとりに語り掛けるように歌う林。曲のクライマックスで込み上げるようなハイトーンボイスを披露すると、感謝の気持ちを表すように両手を広げて深々とお辞儀をし、一度ステージを後にした。

 バンドメンバーとコーラス、ダンサーによるパフォーマンスを挟み、再び登場した林は、白を基調としたストリートファッションにスタイルチェンジ。装いを新たにして披露したのは、アルバムのリード曲「Wow」。まさに極上のR&Bを感じさせるこの曲では、観客とコール&レスポンスを試み、自身の音楽の世界へと深く誘い込む。また、楽曲の後半ではメンバー紹介が行われ、各々が披露する超絶技巧のソロプレイに林が「最高かよ」と思わず口にする場面も。林からメンバーへのリスペクトと愛が感じられた瞬間である。

 ここでラッパーのMC TYSONをゲストとして迎え、共に披露したのはもちろんMC TYSONの「Shawty (feat. KAZUKI)」。クールなラップを歌いながらステージに現れたTYSONは、中央で林と拳を突き合わせる。林の包容力のある歌声との相性も抜群で、会場は甘いムードに包まれた。

 その甘い雰囲気を最高潮まで盛り上げたのは、この後に行われたスペシャルプログラム。ファンクラブ会員から抽選で選ばれたファン1名がステージへ上がり、至近距離で林の歌を聴けるという夢のような企画が開催されたのだ。早速、林が手を引いてステージ上の椅子へ案内したのは、幸運な一人の女性。「日頃の感謝を込めて」という言葉を添えて「Baby」(DOBERMAN INFINITY)を届ける。ピンク色のライトに照らされながら、客席はもちろん、彼女とも何度も視線を合わせながら歌い上げる林。さらに、曲の終盤では彼女の前に跪き、一輪の薔薇を差し出す。まるで王子様のようなその姿に、悲鳴にも似た歓声があちこちから上がっていた。

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