緑黄色社会、Creepy Nuts、SUPER BEAVER、Ado、菅田将暉、片寄涼太×DOBERMAN INFINITY……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

　毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は緑黄色社会「Party!!」、Creepy Nuts「二度寝」、SUPER BEAVER「幸せのために生きているだけさ」、Ado「ショコラカタブラ」、菅田将暉「谺する」、片寄涼太×DOBERMAN INFINITY「NO FEAR NO MORE」の6作品をピックアップした。（編集部）

緑黄色社会「Party!!」

　しなやかで濃密なファンクネスを放つベースからはじまり、華やかで開放的なバンドサウンド、そして〈君のためのパーティーだ！〉というラインによって気分が一気に上がっていく。話題のTVアニメ『ダンジョン飯』（TOKYO MX）エンディング主題歌に起用された緑黄色社会の新曲「Party!!」は、このバンドらしい大らかなポジティブ感がまっすぐに伝わるアッパーチューンに仕上がっている。仲間に対する強くて温かい思いをダイレクトに反映した歌詞、力強さと優しさを同時に響かせるボーカルこそが、この曲の核だろう。ソウル、ファンクのエッセンスをたっぷり注ぎ込んだアレンジ、メンバーのセンスと技術がハッピーにせめぎ合う間奏もカッコいい！（森）

Creepy Nuts「二度寝」

　TVアニメ『マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』（TOKYO MX）オープニングテーマ「Bling-Bang-Bang-Born」がアジア、南米、ヨーロッパなどでバイラルヒットを記録、全世界的なブレイクが目前に迫ったCreepy Nutsの新曲「二度寝」は、主演・阿部サダヲ× 脚本・宮藤官九郎による“意識低い系”ドラマ『不適切にもほどがある！』（TBS系）主題歌。昭和と令和を行き来しながら繰り広げられる“コンプラ”をテーマにしたドラマのストーリに沿いながら、〈竜宮城〉〈鬼ヶ島〉などの昔話をモチーフにしたワードをちりばめたリリックは、変化を続ける“正しさ”に翻弄されながらも、“お互いの違いを認めながら、できるだけ楽しく生きていきたい”という思いに着地。軽やかさとエモさを併せ持ったトラックも気持ちいい。（森）

SUPER BEAVER「幸せのために生きているだけさ」

　ニューアルバム『音楽』からの先行シングルであり、ドラマ『マルス-ゼロの革命-』（テレビ朝日系）主題歌でもある新曲。ミドルテンポのどっしりした楽曲で、隙間の多いバンドサウンドには荘厳なストリングスが絡まり、後半は全員参加型のコーラスも入ってくる。バンドの音にこれだけの豪華アレンジが入ると、曲が豊かになる反面、「手を加えられた」「装飾しすぎ」と感じるのはコアファンによくある話。ただ、SUPER BEAVERは楽曲のスケールが大きくなればなるほど渋谷龍太（Vo）の存在感が増していくのが面白い。絢爛たるストリングスにまったく負けないロックボーカリストの声。真面目すぎる歌詞をただ表面的に歌わず、歌手としてがっちり噛み砕いているのもいい。（石井）